アイランド

アイランド 特別版 [DVD]

アイランド 特別版 [DVD]

アクションシーンはすごい!ありえないくらいの迫力!だが…主人公にまったく感情移入出来ない…

マイケル・ベイ印の迫力あるアクションシーンは見事!ここまで来ると監督の手柄というよりも、撮影監督やアクションシーンの振り付けを担当したスタッフの仕事になってくるのだろうが、思わず声を出してしまうくらいの迫力。だが、褒めどころを言うとそこだけ。

ストーリーを知らずに観たのだが、最初は意味が分からなかった。まず観客に「ここはどういう所で、どうしてこういう管理された場所なのか?」というのをしっかりと教えておく必要があると思う。やれ汚染されただの、会話の端々にキーワードを入れられても全体像が浮かび上がって来ない。まぁなんとなく理解は出来るし、映画というのは説明が面白くないわけで、映像の力でぐいぐい引っ張ってくれてもいいのだが、こういうSFの場合は雰囲気だけじゃなく、バックグラウンドをしっかりと観客に把握させないとダメだと思う。

例えば『2001年宇宙の旅』ならば、ここは何があって、どうなってるの?というのは感じない。それは『ブレードランナー』も同じ。だが、『アイランド』の場合、主人公が感じてる不安(何が目的で生きてるのか?等)の背景が見えないので、こいつが何故ここを出たがってるのかの意味がまったく分からなかったのがまず1つ。

ここから究極ネタバレ。




そして、この映画。よく考えてみると、普通だったら主人公が悪役じゃないかい?会社の立場になって考えてみれば、とんでもない事が起こっとるんですよ!すごいっすよ、しかもね主人公達クローンだから、まったく感情移入出来ないんすよ(笑)まぁ人間じゃねぇし(笑)

臓器を移植されたり、皮膚を奪われると知った主役達はね、自分が殺されたくないばっかりに、人は殺すわ、高速道路で暴れて車は破壊しまくるわ、ビルの1フロアにバイクを突っ込ませるわ、やりたい放題(笑)しかもそれを捕獲する方も、捕獲する方で、警官は殺すわ、事故は起こすわ、テロよりもひどい(笑)

クローンは助けをもとめて、本人と遭遇します。なんと、クローンであるにもかかわらず、こいつはその本人までだまして殺してしまうんです!ひでー&こえー!

さらに感情を持ったクローンは不良品として、リコールされます(よかった、よかった♪これで一安心)だが!ここでマクレガークローンは「仲間を助けなきゃ!」と、再びクローンを作っていた会社に向かいます(なんでだよ!)まぁ省略しますが、ここでマクレガークローンはその会社を破壊します(笑)さらには彼らを追っていたはずのヤツまで仲間となります(なんでだよ!)

この映画はホラー映画というか、恐怖映画でしょう。だって、あんな反乱起こってみそ?人間側にしたらたまったもんじゃない。徹底してますよ、描き方がマクレガーにしろ、ヨハンソンにしろ、ヒーローみたいに描かれてますけど、これがターミネーターばりの無表情だったらどうです?ただの殺人クローンマシーンですよ(笑)しかも心理描写が恐ろしいほどないので、感情移入出来ないの!(そりゃそうだ、クローンなんだもん)




究極ネタバレ終わり。

脚本は穴ぼこだらけで意味不明、描くべき所を描いておらず、それ故に感情移入もまったく出来なかったこの作品。ただ、未来映像は見事だし、アクションシーンは冒頭でも書いたがド迫力、マクレガーとヨハンソンというキャスティングもあいまって、楽しくは観れたのかな?つっこみまくってたくせにハラハラした自分が居たのも腹立たしいが、まぁいいっしょ。