トランスフォームしてきました。


起きてすぐに『トランスフォーマー』鑑賞。

マイケル・ベイと言えば大味な演出で『アルマゲドン』のような感動作を撮る一方。残虐的な描写にも手を抜かない事で有名だ。一方スピルバーグも『E.T.』や『フック』などの作品を撮る一方で『ミュンヘン』や『ジョーズ』など、こじんまりとした作品からスケールのでかい作品にまで残虐的に人が死んでいく映画を撮る。この2人ががっちりと手を組んで作られたのが、『トランスフォーマー』である。

個人的に日本のアニメのリメイクだと思っていたが、どうやら、『トランスフォーマー』というのはおもちゃとして発売され、それがアメリカで売れ、日本で評判になり、アニメ化されたという経緯があるらしい。だから、これがアメリカで製作されたのには意味がある。

さて、この『トランスフォーマー』だが、とてつもない映画であった。何がとてつもないって、その映像である。ガキの頃に誰もが見た、超合金ロボットの番組。あれがとてつもないスケールと完璧な特撮で作られていて、驚く。「誰も観た事ない映像革命」と銘打たれて公開されたが、ある意味で誰も観た事ない映像である事は間違いないだろう。だって、見た目も明らかにちょいダサのロボットがアメリカの街中で大暴れするのだから(笑)

トランスフォーマー』はハッキリ言って中学生の心を持った大人のための娯楽作品。子供には理解不能だろうし、ヒロインのエロさやマスターベーションうんぬんのくだりも思春期の男の子ならばグッとくるはずである。ロボットが動き回るというのも幼稚な気はするし、車も出るし、ギャグは基本的に幼稚だし、一般的に作られてはいるものの、完璧にハマるのは私のような男だろう(笑)特に1番感動したのは頼りなくダサい主人公が難関を乗り越え、大人の男になるという部分だ。スピルバーグはよくこの設定を使うが、マイケル・ベイと組んでもそれだけは譲れなかったらしい。

トランスフォーマー』には様々なテーマがある。人間の事も出てくるし、通過儀礼もあるし、アメリカ軍の持ち駒も見れるし、家族の事もあるし、他者と友情という部分で共存出来るか?というのもある。さらに『七人の侍』的な要素もストーリーにはあるし、単純に正義対悪のヒーローものとしても見れる。そういった意味ではマイケル・ベイが手がけて来た映画の中では上位に入るかもしれない(それでも最高傑作である『ザ・ロック』はやっぱり抜けないけど)

さて、『トランスフォーマー』であるが、大きいツッコミどころが3つある。明らかにそれ設定としておかしいだろ!というツッコミ。さらにそれが終盤で3つもとんとんとーんと来るから、そこで一気に萎えてしまう(笑)だが、それでも『トランスフォーマー』はとてつもなくおもしろい映画である事は間違いない。そういうツッコミも含めて、愛すべき映画。ここではあえて傑作だとは言わない。