あの娘に1ミリでもちょっかいかけたら殺す
魂を爆発させるために『アイデン&ティティ』鑑賞。俳優田口トモロヲの初監督作で原作がみうらじゅん、さらに脚本がクドカンで主演が銀杏BOYSの峯田和伸という超が付くほどの異色メンバーで作られた作品である。私、この映画大好きで、何度も観てる。バンドブームにのってデビューしたバンドが、ブームの終わり共にどういう音楽を作ったらいいのか、苦悩する。主人公がとにかく最低な人間で、この主人公はまさに今のオレなのだ。そんな最低な人間が少しずつ成長していくという作品で、とにかく熱く、観るたびに魂が爆発する。まさに文字通りロックな作品だ。バンドがテーマの映画なのにもかかわらず、音楽がちょっと弱いという弱点はあるが、
んで、その勢いで銀杏BOYZを聴く。
私、峯田和伸っていう人間が大好きなんですよね、ブログも読んでるし、GOING STEADYも大好きで聞いてました。DVDも買ったし、CDも全部持ってます。青春パンクがブームの時、まったくそういうバンドに興味なかったけど、GOING STEADYとガガガSPだけは聞いてましたね、GOING STEADYって当時パクりが多いとか批判もすごくて、本当のロック好きにはあんまり支持されてないみたいだけど、私はすごく音楽に対して実直なバンドだと思ったんですよ、んで、衝撃的にGOING STEADYを解散させて銀杏BOYZを作ったんだけど、銀杏BOYZも好きですよ。というか、音楽的にはまったく変わってないから、1回リセットさせたんだろ、くらいの感じですし。
恋愛に対する希望とか、付き合う事で待ってる現実をウソなく歌ってたGOING STEADYだけど、
銀杏BOYZになってから歌詞がもっと丸裸になってて、なおさら好きになった。男が誰でも心の奥底で思ってる、性的衝動とか、女に対して思ってる事をウソ無く歌っていてすごく共感する。銀杏BOYZを聞くと、その辺にあるラブソングが全部嘘くさく聞こえてしまう。それくらい、男の本心をこれでもかと歌っている。女の人が読んだら100%引いてしまうくらいの歌詞なのだ。
Mr.Childrenとかもたまにこういう歌詞があったり、スピッツも結構エグい事をメタファーだらけにして歌う、スガシカオなんかもそうだ、彼も女の人をまったく信用してないんじゃないか?という感じで歌う。だが、銀杏BOYZは違う、そんなレベルじゃない。ホントにミュージシャンやってなかったら逮捕されてるだろ?というくらい過激な歌詞で、実際彼らはライブで裸になって逮捕されたりしてるが、
女にフラレてヤケになってる心情を完璧に歌詞にした『メス豚』とか、好きで好きでたまらない女の子が実は淫乱で援助交際していた『援助交際』とか、頭が弱い女とただ単にセックスするだけの『あの娘は綾波レイが好き』とか、あまりに好きすぎて、その子のジャージを盗んだり、縦笛になりたいと歌う『SKOOL KILL』とか、好きな娘の母親が再婚して、そのせいで転校する事になったから、その親父を殺したいという『あの娘に1ミリでもちょっかいかけたら殺す』とか
とにかく歌詞が全部、ちょー好き。音とかはめちゃくちゃだし、歪ませすぎてて聞きづらいし、演奏とかもめちゃくちゃでありえないんだけど、ホントにすげぇ銀杏BOYZは好きなんですよね、意外と思われそうだけど。
多分人間的に私と峯田和伸は似てるんだよ、純粋な部分と汚い部分が同じ比重で漂ってる。こういう理想があるけど、現実はこうならない、分かってる、分かってるけど理想だけを信じたいという部分がすごく似てる。
『夢で逢えたら』とか聞くと、ホントに切なくなるもんなぁ、大滝先生の『夢で逢えたら』もなかなかすごい歌詞だけど、銀杏BOYZはもっとすごいからね(笑)