ソダーバーグはオレのブログ読んだのか?

10時に映画館に出かけ、『オーシャンズ13』を鑑賞。

私、このブログで何回も書いてるけど『オーシャンズ11』大好きなんですよ。DVD買って多分5回以上は観てる。なんかね『スティング』を思い出すんですよね、犯罪映画なのにすごく軽いノリで、役者達もすごい余裕で演じてる感じがかっこよくて、映像的にはソダーバーグっぽくないんだけど、スタイリッシュだし、あれだけのキャストを揃えて、1番目立ってるのがジョージ・クルーニーってのも素敵でね。みんなジョージ・クルーニーを慕ってる感じが映画から出ててよかった。
不可能な場所から金を盗み出すっていうカタルシスもあって、仕掛けも満載で、ドンデン返しもたくさんあって、娯楽映画としてはなんの不服もないって思った。

んで、『オーシャンズ12』を見た。まんだむさんとゴールデン街に行った時に、マスター(でいいのかな?)からいただいたもの。結構期待して観たんだけどね…まぁここに書くまでもないが、『オーシャンズ12』は最低最悪のカス映画であのソダーバーグがよくもまぁこんなものを作ったもんだと逆に褒めてあげたいほどの出来。ダニーオーシャンはまったく目立たず、ジュリア・ロバーツを使ったギャグも私は好きなんだけど、基本スベリ気味で、それ以外まったく覚えてないという始末。最後もよくわからんかったし、なによりも盗んだ金を返さなきゃ行けないというプロットが最悪でまったく燃えず。一体何をどうしたかったのかまったく分からなかった。個人的に良いと思える部分が1つもない大駄作である。

さて、ここで『オーシャンズ13』である。まず感想から書くと。おもしろかった。『11』のスタイルやプロットを復活させた感が全面に出ていて、『11』が好きなら間違いなく満足出来るはずである。ひねりは少ないし、アル・パチーノが目立ちすぎてる感はあったが、よくぞまとめたと言いたい。

ブログを読み返したら『12』の時に「復讐すると思ったら、金を返せってどういう事だ!」と吼えてた。あれだけ冷徹なヤツが、金を返せば許してやるという思想あるわけねぇだろ!復讐しろバカ!と思ってたのだが、ソダーバーグはこれを読んだのか?今回の『13』は復讐映画にもなってたがな!

だから…燃えたね!マジで!映画の立ち上がりから燃えた。しかもエリオット・グールドのためにみんなが立ち上がるというのがナイス。個人的に冒頭でエリオット・グールドアル・パチーノが抱き合うシーンは感動した。だって『ロング・グッドバイ』のマーロウと『スカーフェイス』のトニーモンタナが抱き合ってるんだぜ?ここで感動しないわけないじゃん…ってこれは日本広しと言えども私だけかな。

さて、映像派のソダーバーグだが、前2作は自分のカラーを抑えめにして撮ってた。そこが逆に新鮮だったんだけど、今回はかなりソダーバーグっぽさが出てる映像となっている。『トラフィック』っぽいのかな、荒い映像で色もどぎついんだけど、ぼやけた感じで、マットデイモンが電話するシーンなんて、手持ちカメラで粒子が粗くてまさに『トラフィック』のまんま。
室内のシーンはわざと暗くしてリアルな感じを出してたし、全体的にトーンを同じにしたりして、結構凝ってた気はする。

それだけじゃなくて、ジャンプカット、ナナメの高速ワイプ、写真、ローアングルのトラックアップと遊んでて、観ててなかなか飽きさせない工夫がしてあった。プロットの弱さを補ってたのかな(笑)

ラストでパチーノが大演説して、マシンガンをぶっ放すかと思ったんだが、さすがにそれはなかった(笑)

そして何よりも今作がよかったのは…ジュリア・ロバーツが出てない事!なんだろう『エリン・ブロコビッチ』で賞を取った恩は駄作だった『12』で返したのか?まぁ、私としては大嫌いな女が消えた事でテンション上がっとるけどな。その前にこの『オーシャンズ』シリーズに女はいらないという事がハッキリ分かった。アレがあると、やっぱり焦点がぼやけるんだよ、金と女とでさ、ハッキリ仕事!金!となったほうがシャープでわかりやすいし、もしこの線でいくんなら、私は次作も観たいと思った。『オーシャンズ11』がお好きな方は劇場に足を運ばれてもいいのではないでしょうか。

あ、そうそう本編観る前に予告編ですごくおもしろそうな映画が紹介されてたので書きます。タイトルが『ブレイブ・ワン』っていうヤツで、主演がジョディ・フォスター。今、予告編観るとだいたいどんな映画が1発で分かるでしょ。だからこの映画も絶対に観たいって思った。

なんと、この『ブレイブ・ワン』は…女版『狼よさらば』なのだ!なんか、ジョディ・フォスターの彼氏が暴漢に殺されて、それを警察が捕まえられないから、そういう街のクズどもをジョディがどんどんぶっ殺して行くというストーリーで、とてもこの2000年代に作られるとは思えない復讐劇。っていうかリメイクなのか?もう、これだけですでに傑作の烙印が…早く観てぇ!