片足マシンガール最高!


プラネット・テラー』がどうしても見たかったので、14時にあげてもらった。15時だと間に合わないんで。14時50分、いよいよ『プラネット・テラー in グラインドハウス』鑑賞…

さ、さ、最高すぎ!!!!!

デスペラード』や『フロム・ダスク・ティル・ドーン』に燃えたヤツらなら、間違いなく傑作になりえる!

2時間飽きる所1つもなし!っていうかこのスピード感!この血みどろさ加減!女!昔風の細かい演出!ぶっちゃけロドリゲスの最高傑作だろ?完璧すぎる!最高すぎる!!!!!100点満点!!!!!

グラインドハウスっていうのは、日本の昔の場末の映画館みたいなもんで、3本立てをダラダラと流し続ける。アメリカの有名な映画館ですね。そこで血みどろの低予算映画を流し続けて、タランティーノは子供の頃にそこでそういう映画を見続けたわけ、グラインドハウスって言葉はタランティーノのインタビューを読んでると良く出てくるんで。この新作も私的にはスッと入って来た企画だったりもする。

実はタランティーノ脚本、ロドリゲス監督の『フロム・ダスク・ティル・ドーン』も、グラインドハウスを意識した作品だった。『フロム〜』は前半はクライムサスペンスで後半はスプラッタホラーになってる。これはダラダラと休憩無しに様々な映画を流し続けるから、寝てる間にまったく違う映画になってるというものを取り入れたものだった。

そして最近ブログでも書いた『キル・ビル』これもグラインドハウスで流れてたショウブラのカンフー映画や、日本の血みどろチャンバラ映画を元にして作られた映画だ。そんなタランティーノが満を持して作ったのがグラインドハウスというわけなのだ。低予算の血みどろB級映画を意識して二本立てにして作り上げ、あの時の興奮を現代のファンに味あわせようとした。

だが、製作会社はこれを2本分の料金で買い取らせようとしたため、アメリカ以外ではこの二本が別々に公開されるという事態になる。それのロドリゲス版が『プラネット・テラー』である。

さて『プラネット・テラー』であるが、まず1番感動したのは芸の細かさだ。

こういうドライブインシアターグラインドハウスの映画はいろんな場所で同じ映画を回し続けるため、フィルムがボロボロで画面に傷がつきまくり、さらに音もめちゃくちゃ悪くなる。もっと酷いとエロい場面をフィルムごと勝手に持って帰ったり、シーンがまるまるなくなってる事もあるという、『プラネット・テラー』は映画の中にわざとこのような演出をほどこした。セックスが始まった途端にリールがなくなりましたと言って、いきなりクライマックスになったり、妙な所でシーンが途切れたりして、そのグラインドハウスの雰囲気をしっかりだしている。
それだけでなく、基本的に『プラネット・テラー』は昔の映画のようにフィルムに傷がつきまくってて見にくい、そういった部分もわざと演出に取り入れてるのが感動した。こういうフェイクもの私大好きですからね。

さて、まず軽くグラインドハウスについて説明したところで本編の感想に入ろう。

プラネット・テラー』は完璧なバカ映画である。完成度で言えば『キル・ビル』を越えるかもしれない。ゾンビ、ストリップ、殺戮、ロック、銃、車、血みどろ、エロと娯楽要素満載で、キャラクターの設定や過去、人物など一切無視、もっというとツッコミどころも満載なのに、あまりにシーン、シーンがかっこよすぎて、そんな事も一切気にならないほどのスピード感である。そう『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』に欲しかったのはこれなのだ。

例えば『パイカリエンド』のような超級のカス映画になると、心臓が箱の中に入ってるとかの説明は無い。だけど、心臓が箱に入ってるという設定がまったくおもしろくなく、テンションが上がらないので、こういう事をする意味がわからないが、『プラネット・テラー』になると、片足がマシンガンとか、ストリップとか、いちいちかっこよかったりするから、ツッコミどころが満載でも問題ない。

プラネット・テラー』はゾンビ映画そのもの。アメリカの細菌兵器のせいで人間がゾンビになり、その戦いにストリッパーが巻き込まれて行くという話。ストリッパーはゾンビに襲われて片足を失ってしまうが、その片足にマシンガンとグレネードランチャーを合体させた武器を仕込み、バンバンゾンビをぶち殺すという、ある種のファンにはたまらないシーンが待ち構えている。

ゾンビは肉片やら血が飛び散り、人体切断はおろか、脳味噌くり抜きまで飛び出し、終始テンションが上がりまくり!人間も体が引き裂かれ、臓物が飛び出し、血まみれでとにかく最高!!!それだけでなく、冒頭はエロい格好をした主人公のエロダンスから始まり、注射器をピストルに見立てた女医や変態のゾンビ、ヘリコプターに装甲トラックなど、映画ファンにとってたまらないアイテムが満載なのだ。

こういう映画は絶対に普通のシネコンで公開出来ないが、ロドリゲスとタランティーノのお陰で公開されてるのがすごい。

単純に過去の作品の引用だけで組み立てられた『キル・ビル』とは違い、『プラネット・テラー』はしっかり娯楽映画になってる。だからこそオリジナリティがあり、かっこいいのだ。

やっぱりゾンビはトラックに轢かれてぐちゃぐちゃにならないとね!

でもこれ、『グラインドハウス』版だと90分なんですよね。そっちの方が見たいな。というか、『デス・プルーフ』がマジで見たくなったじゃねぇか!ボケ!早くDVD出せ!即買いするぞ!!!!DVDはどういう感じで出るんだろう。。。。まさか『グラインドハウス』と『プラネット・テラー』と『デス・プルーフ』の3パターンで出すのでは…やべぇそれありえる。まぁ、全部買うだろうけどな。