腐った邦画界にドロップキックだぁ!

『ブレイブ・ワン』を観ようと思ったが、起きたのが上映開始時間だったので断念して、その15分遅れの『クローズZERO』を観に行った。ちなみにマンガはまったく読んでませんのであしからず。

『クローズZERO』…すげぇおもしろかった!とにかく最高!今年のベスト10入り大決定!!!!!ちょーお気に入り!マジでもう一回見たい!DVDも絶対に買う!!!!

もう、今の腐った日本映画界の土手っ腹に風穴空けたね!ホントに凄まじい作品だったと思う。確かに完成されてないし、高校生に見えないヤツも居たけど、そんな事は一切おかまい無しのパワー!!!!何がすごいって、学歴も社会的地位もないヤツが、拳一つで頂点極めるっていうところね。力のあるヤツがこの世を制する!体制も政治もクソもない、とにかく世の中殴って殴って殴りまくれ!っていう映画。さらに若い時はそうやってバカやったり革命だとか騒いでもいいけど、大人になったら結局は体制側になってしまうっていう残酷なメッセージもあってすごかったよ。若い時に鈴蘭をしめてたヤツらはサラリーマンになったり警察の人間になってるんだから!

三池監督って作品の出来不出来が激しくて、基本的にうまい人じゃないんだけど、パワーっていうか、普通の映画にしたくない!っていう気持ちはすごく好きで、実際お気に入りの映画も多い。倫理観や映画的な表現を根底から覆した『殺し屋1』とか、新しいヒーローもんの『ゼブラーマン』とか、体制に甘んじてるバカや腐った官僚は皆殺しだ!という『IZO』とか(昔はおもしろくないと思ったが今は好き、その理由はいずれ書く)あれをやったら映画というものはどうなるんだ!という『DEAD OR ALIVE』とか、すげぇ好き。

『クローズZERO』はそういうパワーと普通の娯楽映画のバランスがとても良くて、今の映画界にワンパンチ!という勢いが全編を覆ってるがそれだけじゃなくて、泣かせどころも友情もある。

いやぁ、すごかったねぇ、ケンカシーン!スタイリッシュに撮らなくてもやっぱり迫力あるぜ、あの撮り方は。ぶっちゃけ、全編ケンカシーンばっかりで、この辺はさすが『IZO』の三池監督だと思った。一応、エスタブリッシュメントショットではクレーン使ったりして、珍しく、普通にいってるなぁと思ったら、前フリなんだね、これからケンカばっかりだから、この辺は緩く行くよっていう(笑)

飛び蹴りとかドロップキックとか、パンチの入れ方とかケンカそのもの。『けんかえれじい』とか『パッチギ!』のケンカシーンもすげぇなって思ったけど、すごすぎる!

のっけからカーチェイスあり、ケンカありで、ギャグもところどころすべってたが、ここぞ!ってところでは劇場全体がかなり湧いてた。っていうか、『クローズZERO』ってプロデューサーが山本又一郎なんだよ!いつまで経ってもこの人は若い!『あずみ』でも北村龍平と組んだりして、今回は三池監督でしょ?さらにゴジもそうだけど、いっつも過激で激しい監督と組むんだな、でもプロデューサーのところにたくさん人が居たが、又さんは一体どんな仕事をしたんだ?名前だけ貸したのか?

まぁそれはいいとして、『クローズZERO』ホントにすごかったよ!小栗旬山田孝之もまったく興味なかったけど、ホントにファンになった、めちゃくちゃかっこよかった。小栗やら孝之やらが出るアイドル映画だとなめてかかってただけに、もうガツンとやられたよ。原作読んでる人はどういう風に感じたか分からないけど、ホントに映画としてこれはすごすぎるんだよ!

ただ、ホントに残念だったのはクライマックスの大乱闘シーンでね、病院のシーンとライブシーンがカットバックでそれぞれ映るんだけど、あれはやるべきじゃなかった。もう迫力のシーンでこっちの血も沸いてるのに、一気にクールダウンさせられるんだよ。確かにやりたい事はわかる。でも、あの病院のシーンとライブのシーンは絶対にいらなかった。ヤクザのくだりだけカットバックで入れて、後はあの乱闘シーンで突っ走るべきだった。ホントにあそこは惜しい。オレがプロデューサーだったら、もうバッサリいってたね、ここは要らん!って言って(笑)

あと黒木メイサも全然要らなかったな。出だしすげぇヘタでビックリしたし。

2時間20分と長尺だったけど、もう絶対に見るべき!ホントにすげぇおもしろかったんだから!!!!傑作とは言えないけど、『スケバン刑事』といい、こういう映画がヒットすると邦画界も活気づくんだけどなぁ。