内田有紀がかわいい『クワイエットルームへようこそ』

買い物。軽く買い物をした後に15時45分から『クワイエットルームへようこそ』鑑賞。す、素晴しい!!!!!!!一言で言うなら松尾スズキ版『カッコーの巣の上で』という感じだが、とにかく素晴しかった。

松尾スズキの映画はおろか、舞台もまったく知らない私にとって初体験の松尾WORLDだったが、ここまで素晴しいとは思わなかった。舞台の人だから人間の演出が良く、それをメインに映像を構築するから、チャラチャラした印象は一切ない。映画は違えど印象は『青の炎』と一緒だ。

世間に迷惑をかけてる精神病の人を世間から切り離すのは世間には良い事だが、その本人達にとって果たして良い事なのか?という事など、かなり重いテーマを盛り込んであるが、冒頭を笑いメインにした事で印象は幾分ライトになってる。

個人的にカットの間が『ん?』って思った所があったが、笑いのタイミング、泣かせどころなどきっちり抑えていて、さらに大胆な構成により、主人公に感情移入させたり、突き放したりさせるところなんかはウマイを通り越して怖かった。人間って言うのは表面的にはいい人だったりするが、内面は何を考えてるか分からない生き物なので、そういう部分をまんべん無くしっかりと描いてるのは好感が持てる。

内田有紀はもちろん素晴しい。相手役のクドカンも見事だ。松尾スズキの演出にしっかりとついて来ている印象がある。なまじっかハンパもんを使うと、どうしても役に染まらず、女優でしょ?というオーラが出てしまうが、内田有紀内田有紀という存在を出しつつも、しっかりと映画の中に役としてとけ込んでいた。おっぱいは出してないが脱いでるし、風俗のシーンではきわどい事も言ってるし、嘔吐するシーンはホントに吐いてんじゃないか?と思ったし、何よりもラブシーンがとてもなまなましくて、恋人同士の空間を覗き見してしまったような感じがあってよかった。

よく考えると男前と美人が出るという時点でリアリティがまったく無くなるわけで、この手の題材を扱うにはヒットさせるためのネームバリューとして内田有紀は仕方ないにしても、クドカンくらいの雰囲気の方がリアルだ。実際、クドカンは演技ヘタクソだけど、この映画では見事な演技を披露している。

正直、後半は駆け足でドタバタと終わってしまった印象があったものの、ダラダラ引っ張る事を得意とする今の映画界の悪しき風潮を考えれば、まださっぱり終わってくれた方がいいか。

マジでオススメです!観てね!!!!