ホントにこの時代の東京を知ってる人はウソだという映画

ALWAYS 三丁目の夕日 通常版 [DVD]

ALWAYS 三丁目の夕日 通常版 [DVD]

ドライブに行って、コーヒーを飲みながら『ALWAYS三丁目の夕日』鑑賞。続じゃないよ。

かなり評判になってて、いろんなところで名前は聞いてたし、山崎監督の『リターナー』はDVDを買ってしまうほど好きだから、観ようとは思ってたんだけど、かなりズルズルとここまで来てしまいました(汗)

さて『三丁目の夕日』だが、とても上手い作品。ツッコミどころも多いんだけど、良い!と思える部分の方が多かった。

実際私はそのジェットコースターのような泣かせどころに号泣してしまったんだけど観終わるとね『ん?』って思えるところも無くはない。どうやってあいつは帰って来たんだ?とか、まったくナチュラルじゃないセリフでっせ!っていう感じのセリフとかあったけど、良いです。

冒頭の長回しと音楽からして作品の方向性が分かるようになっていて、映像のクオリティは恐ろしく高い。『三丁目の夕日』はこの時代にあの時代の街並を再現した事の評価が高いようだが、それは間違いないだろう。極めて正しいCGの使い方でウエルメイドな映像にしたのはさすが山崎監督である。人々の脳内にあったあの時代のイメージを1人の監督が違和感なく作り上げるというのは不可能に近い、だから良く出来た原作を映像化すると、読み上げたその人その人のイメージと違うので批判などが出る。『三丁目の夕日』にそういう批判がなかったのは、そのイメージに沿った映像だったからだろう。

小雪のセリフの「うーん、やっぱりダメいけないわよね」といういかにもなセリフとか、酒飲んで帰る時にバイクを押して帰るとか(当時は絶対に飲酒運転してたはずだから)ちょっとありえない部分もあるが、心温まるエピソードを散りばめ、一瞬たりとも飽きさせないし、カット割りに頼らず、しっかりとワンカットでカメラを動かして撮ってるところも今のチャラチャラした映画にはない感じで良い。

でもマイナス点もある。まずハッキリ言って音楽はうるさい、泣かせどころですよ!って示唆してる感じも鼻に付く、子供なんてこうるさく生意気なだけだから、淳之介みたいなとてもいい子なんてこの世にいないという部分もあるし、ぶっちゃけ個々のエピソードも弱いけど、それでもあの映像を見せつけられたらぐうの音も出ないでしょう。『CASSHERN』を愛する人と同じ感じだと思う。私はあの三丁目の箱庭感がすごくツボだった。だから、あの街並だけをずっと観続けていたいという想いも少なからずあったと思う。

最後にあの東京タワーをゴジラがへし折って、人々が逃げ惑うような映画になったらおもしろいと思ったけど、さすがにそれはなかったな、三池監督とかならやりそうだね(笑)昔はよかったねぇという懐古主義的な発想は私の中にまったく無い(言い過ぎたある部分ではある)が、『三丁目の夕日』悪くないですよ、見た方がいい?と聞かれたら間違いなく、観ろ!と言いますね。