『ボーン・アルティメイタム』はグチャグチャに割ったカットが評価の別れ目か?

13時から『ボーン・アルティメイタム』鑑賞。

ちょ、ちょーおもしれー!!!!最高すぎ!飽きるとこまったくなし!

ボーンシリーズは前2作ともすげぇ好きな作品で、『ボーン・アイデンティティ』は私にとって衝撃の1作だった。スパイだとか記憶喪失だとか国家の陰謀とか今までにあったパーツを上手く組み込み、現代らしくない見せ場を配置し、マット・デイモン演じるジェイソン・ボーンもすこぶる魅力的というダグ・リーマンの手腕が冴え渡る1品。

ボーン・スプレマシー』は前作よりも見せ場がちょいと派手になったが、MTV調のチャラザイルとは違う、すさまじいカット割りはスピード感があるし、監督がグリーングラスに変わった事でより一層リアリティが増し、生々しい映画になった。普通の娯楽映画とは違うひねった感じはこのシリーズならではのもんだなと改めて実感した。

ボーン・アルティメイタム』は前2作の良いところが一緒になったという感じ。グリーングラスは前作を越える激しいカット割りに挑戦し、格闘シーンではなんのこっちゃわからんくらいまで、ちょこまかちょこまかと割る。追跡シーンでもごってごてに割る。でも観ていてまったくわからんという感じにはならないのがすごい。実際、人ごみの中でおっかけっこするシーンではこの激しいカット割りが活きていて、CIAとボーンと新聞記者のカットバックも上手い具合に処理されている。この場合編集した人がすごいのだが。

普通この手の映画を3本も続けると、どれかが悪いとか、これがどうも完成度が低いとかなるのだろうが、個人的には3本ともまったくクオリティが下がってる感じはない。どれも高水準でおもしろい。だからヒットしたんだろう。

ボーン・アルティメイタム』は見せ場が1作目のように地味になってしまってるが、その地味な見せ場も非常にテンション高く撮られているので、ハラハラするし、とてもリアルだ。ただ、街中をおっかけっこするだけなのに、あれだけハラハラするというのも珍しい。あれを体験してしまうと、普通のハリウッド映画がバカみたいに感じるなぁ。