織田裕二はオリジナルの『椿三十朗』を観てなかった

出勤までスマステ鑑賞。織田裕二がゲスト。『椿三十郎』をメインに話すのかと思いきや、
意外とドラマや織田裕二自身のエピソードを紹介していた。やはり『椿三十郎』は当時の脚本を使ってるらしい。なのにもかかわらず、現代版はコメディ色が強く、三十郎のキャラも違ってるとか。

何故?

なんで、同じ脚本なのにそういう事がおこるの?もしかして、微妙に変えてるとか???とにかく観ない事にはなんとも言えんのだが、まぁそれでも完コピに近いっちゃ近いんだろうから、おもしろいのは間違いないね、配役がどうだろうとなんだろうとね。

それにしても驚いたのは織田裕二が言った「『椿三十郎』を知らなかったんですよ」ってコメント。

俳優なのに観てないのかよ!ましてや10代そこそこのガキじゃない40過ぎの役者が!最近のクリエーターは過去の物を知らな過ぎるとよくいろんなところで言われてますが、それにしても織田よ…『椿三十郎』は観なきゃだろ!せめて『デルス・ウザーラ』観て無いとか、『どですかでん』観てないなら分かるけど、『椿三十郎』は黒澤映画の代表作だしよぉ。普通に一般の感覚として観ろよ!なんか、その方がかっこいいとか思ったんかな、見てませんでしたよぉ。みたいなさ。

椿三十郎』は私的に黒澤監督の中でも結構好きな方で、ベスト10には入れていいと思う(その前に30本しかないんだった!)もちろん『用心棒』があっての映画だし、『用心棒』は洋邦合わせて人生のベスト3に入るくらい好きな映画だけど、『椿三十郎』は肩の力を抜いて撮った『用心棒』に比べると、物語の構成自体はひねててオリジナリティがある。『用心棒』はダシール・ハメットという人の小説から来てるらしくて、それはコーエン兄弟が『ミラーズ・クロッシング』で実践してみせるんだけど、『椿三十郎』は汚職を暴こうとする血気盛んな若侍と強力して、頭を使ってやるというところがおもしろい。名台詞も連発で、『あなたはサヤに入ってない刀よ』とか『名前は…椿三十郎、まぁもうすぐ四十郎だが』など印象に残る。

そういやぁコメディ色が強くなるといろんなところで書かれてたけど、オリジナルも笑える要素けっこうあるぜ入江たか子に踏まれるとか、田中邦衛がメチャクチャ若い時なのに今と同じ顔で同じ喋り方だとか(それは映画の笑いとは関係無い)加山雄三が若い時の上原謙と同じ顔をしてるとか(それも全く関係無い)入江たか子の歯が真っ黒いとか(それは笑いじゃない)

椿三十郎』って映画の歴史の中で噴水のように飛び散る血しぶきを初めて見せた映画で、さらに緻密なプロットもあって、若さに溢れてて、三船敏郎の見事な演技も見れて、笑いもある…

冷静に考えると結構無茶やってる映画だったんだな

でも、それを感じさせないのは黒澤マジックと言ったところだろう。娯楽映画も作家映画も同じ幅で撮れるというのがすごいなぁ。

久しぶりに観たいけど、今借りると、リメイク版が公開される前に観とくみたいな感じに思われそうだしなぁ…



よし!久しぶりに観るかな!!




ビデオで!


しかも…BSで放送したヤツ!