マリと子犬の物語

9時45分より『マリと子犬の物語』鑑賞。まぁ、なんというか、長いっすねぇ、基本的に犬と家族が地震によって生き別れて、再会するって話なんだから、最後の方で子供がマリを探しに行くシーンがあるんだけど、あれは丸々いらないね。アレを無くして映画は90分に出来る。あと、クローズアップと大げさな音楽。子役がまたいい演技をしてるのは分かるんだけど、あれだけクローズアップばっかり出て来たらイヤんなるよ。時折ね、おじいちゃんに杖渡すシーンとかあと兄ちゃんがおんぶするシーンとか、ロングショットでワンテイクが長いんだよ。そういう演出が少なすぎるんだよなぁ。

しかし、泣かせようという意図がみえみえなので、逆に潔い。マリと生き別れになるシーンなんて、

女の子の横顔→走るマリ→泣く女の子の横顔→走るマリ→マリーって泣き叫ぶ女の子の横顔→走るマリ→etc…

これ延々やるの!マジで!だんだんイライラしてくるよ!合計何カットあったかな?ありえないよ!ホントに!レオーネはあれだけ盛り上げて、一瞬で決闘するから意味があるけど、この映画は最後にマーリーって叫ぶんだよ。しかもそれ散々CMとかでやったじゃん。

さらに最後マリと再会するところ(これは実話を元にしてるからネタバレじゃないよね?)なんて、

クローズアップの娘→オーバーラップ→クローズアップのマリ→息子→オーバーラップ→マリ→親父→オーバーラップ→マリ→ストップモーションで駆け出す娘→ストップモーションで駆け出すマリ→クレーンショット+ストップモーションで駆け寄るマリと娘+ちょー大げさな音楽。

と、ヘタしたら笑ってしまう程大げさな演出なんだよ!

こういうのはなんだ、クロスカッティングっていうのか?カットバックでもないな。モンタージュとも違う。なんかどういう技術かはよーわからんが、やりすぎ!でも、見方によってはデキる監督さんだよね。できすぎくんですよ(笑)

ただ、やっぱり倒壊した村の絵とか、地震が来た時の映像はホントにすごい!マジで残酷というか、日本でもこんな絵作りが出来るって感動した。アレ見た人トラウマになるって。スケールの小さい『宇宙戦争』かと思ったもん。

あと、橋から犬を落とすとかすごかったね!CG使ってるんだけど驚いた。オレには思いつかない。犬を橋から川に落とすんだよ!スケールの小さい『ワイルドバンチ』かと思ったもん。

やっぱりあの現場に行って、ショックを受けた私としては、ホントにね、被災した様子とかすげぇリアル。驚いた。リサーチはしたんだろうけど、あれだけの絵を再現出来るってすごいよ。

ただ『マリ』を見て、1番許せないのは、

誰1人登場人物が新潟弁をしゃべってない

これどうなん?『ナニワ金融道』で大阪弁しゃべってなかったら変だよね?『スウィングガールズ』が全員標準語だったらどうよ?

『マリ』はさ、新潟中越地震での、犬と人間のきずなを描いてるわけよ。しかも実話を元にしてるんだから、絶対に新潟弁でしゃべらないとダメ!ここが完全に演出としてなってない。あの『ホワイトアウト』ですら、新潟弁喋ってる(間違ってるけど)んだから、それはちゃんとやらないと!

てなわけで、いい部分もあったけど全体的にはマイナスかなぁ。