『ゴーストワールド』のラスト


ミクシィに『ゴーストワールド』のコミュがあったので、入ってみた。そしたら、『ゴーストワールド』のラストの解釈についてトピが立ってて、いろんな解釈をしてる人がいておもしろかった。私の解釈はこうだ。


ここからネタバレ


故・淀川長治氏は『ゲッタウェイ』のラストについて、

「親父が金をやって二人がずーっと逃げていった、これで終わったら悪の勝利ですね、悪の成功ですね。映画にはしかし法則があります。二人はどんどんどんどん向こう行きました。これで終わりました。これで本当に悪の勝利ならキャメラは真っ正面を向いて、二人が笑いながら接吻する所で映画は終わります。けれどもこの映画の終わりはすーっと遠くに行く、このところにやっぱりこの二人はやられるぞという余韻を残してるんですね。お分かりになりましたか」

と解説している。

この解説を裏付ける映画があって、それはゴダールの『はなればなれに』のラスト。『はなればなれに』の主人公は強盗して車で逃げるが、ラストは二人が車を運転するところを真っ正面から撮っていって、その後船のシーンでは二人が笑顔で抱き合っている。さらにナレーションで「次回は二人の新しい冒険をシネマスコープテクニカラーで熱帯を舞台に語る事にしよう」と言って映画は終わる(直接ではないが、恐らくこれが『気狂いピエロ』になるんじゃないかと)

ゴーストワールド』はイーニドがベンチに座ってからバスに乗るまでロングショットで撮られていて、表情は一切見せない。さらにバスに乗ってからバスが去っていくまで、淀川さんが解説したように、どんどん向こうに行って映画は終わる。これはまさに主人公が死を迎えるか、行く先不安な未来を表してるように思う。

ネタバレ終了


実際観た人はどのように解釈したのかは分からないが。あういぇ。