KIDS

飯を詰め込むだけ詰め込んで『KIDS』鑑賞。

今年のワースト決定

どうしようもない駄作。これは参った。とてつもなくコケてるが、それもそのはずで、こんなにつまらない物が口コミなどで広まるわけもない。『KIDS』はもっとホントは長い映画だったんじゃないかなと思う。何故なら人間の行動の動機が全部ぶった切られてて、意味不明なのだ。サスペンスやアクションならばまだしも、こちらはそれぞれに心の傷や外傷に悩まされる人々の話なので、行動に起こす前に、何故そういう事をするのかが説明されないと、観てるこっちは感情移入どころか、呆気に取られてしまうのである。それどころか主要のキャラクターがどういう人なのかの説明も不十分で、泉谷しげるの役はなんだったのか、未だに意味不明だ。

あと、何故か小池徹平が出てくるシーンはほとんどソフトフォーカスだった(笑)

あまりに駄作すぎるので、ネタバレ解説

玉木宏演じるタケオは自分の住んでる街が大嫌い。つねに「腐った街がよぉ」とか「こんな街が!」とか言う。それもそのはずでなんとタケオの住んでる街はヤンキーとかバカとかボンクラが過半数を占めてるような街。タケオはいきなり5人組のヤンキーに絡まれ、頬をナイフで傷付けられるがいとも簡単にやっつける。その中の1人が「その内に絶対にぶっ殺してやる!」と宣うがタケオは相手にしない。タケオはいつも栗山千明演じるシホが働く店でアボカドバーガーを頼むのが日課栗山千明は風邪を引いてるわけでもないのに。ずっとマスクをしている。

いつものようにアボカドバーガーを頼み、トイレに行って傷の確認をするタケオ。すると自分が頼んだはずのアボカドバーガーが自分よりも後に来たお客さんのところに行ってしまう。当然シホにクレームするタケオ。シホは「すぐに出来ますからぁ」と相手にしない。なんだよとぶつくさ言ってるとアボカドバーガーがタケオのところに届く。タケオはバーガーを食べようとするのだが、その前に自分より先に届いたバーガーの相手が気になるのか、そいつを見る(Watの左利き)するとその先にバーガーを食べてた男はいきなり近くにあった塩を念力のようなモノで引き寄せ、キャッチし、パラパラとかけだす!そんなところでやるなよ!それを見ていたタケオは驚愕する。

次の日(多分、次の日だと思う)タケオはまた同じようにハンバーガーをシホが働いてる店で頼む。するとその男がいるではないか。タケオはその男の目の前に塩を置き「この前のヤツ、やってくれよ」と言う(この前のヤツって事は数日経ってるのかな?)「え?」ととぼけてると強引にゲーセンに引き連れられ、UFOキャッチャーの前でぬいぐるみを取れと言われる。男が手をかざすと人形が穴の中へ!タケオは大喜びで「次は何にしようかなぁ」と言う。すると後ろでその男はヤンキーに絡まれる(過半数がヤンキーの街だから)念力少年は神社に連れて行かれ、カツアゲされる。そしたらタケオがダッシュで追いかけて来たらしく、そのヤンキーたちをボコボコにする。タケオはヤンキーを殴ろうとしたのに、かわされて手を切ってしまう。

自分を助けてくれた事に感動した念力少年はアサトと名前を名乗る。タケオも名前を名乗る。するとアサトはタケオ腕を握る。「その気はねぇよ!」と振り払うタケオだが、切ったタケオの傷がアサトの手に移った!「僕の力で移動出来るかなって思ったんだ。傷も痛みも半分ずつだね」というアサト。アサトとタケオは何故かシホの店で手当をする。あんたら知り合いだったの!?!?タケオは手当のお礼にシホをデートに誘うが「お礼ならもうもらった」と、UFOキャッチャーのぬいぐるみをタケオに見せる。アサト!お前早いな!

その夜タケオは車の修理をする(あ、書き忘れたが、車の修理がタケオの仕事だ)車の下にもぐって作業してると、足下が見える。冒頭のヤンキーが返り討ちに来たのかと思ったのか、スパナを握りしめ、いを決して車から出るタケオ。するとタケオは関節技を決められ、スパナを落とした。タケオよりも強いなぞの男は泉谷しげる。役名じじい。彼が一体誰なのかは映画が終わるまで謎のままだ。警察の人間か。保護観察の経過を見る人?だ。泉谷しげるはタケオに「アサトという男を知ってるか」と聞く。とぼけるタケオだが、そのジジイから衝撃の事実を知らされるタケオ。「あいつはなぁ、自分の母親を刺したんだよ」

アサトの父親は暴力亭主で母親に暴力をふるっていた。それに耐えられなくなった母親はアサトの留守中に父親を刺し殺す。その刺し殺した現場にアサトが帰って来てしまったわけだ。アサトは保護観察処分(少年院に入っていたかどうかは不明だが、その前に正当防衛とか成立しないのかな?)で服役中の母親に会うためにこの街にやってきたのだ。

アサトは傷を治してるのではなく、他人の傷を自分の身体に移動させている。んで、タケオはいきなりさびれた公園を元に戻そうとしている(なぜそんな事をしようとしているのか不明)シホもたまたまそれを見て、公園を直すのを手伝う。公園を直した途端に子供たちが集まって遊び出す!バカな!どんなタイミングだ。公園で遊ぶ子供が増えるとケガをする子供が増える。アサトはそれを見逃す事が出来ない。次々に傷を自分の身体に移植させる。シホはそれを直せると勘違いし、私の傷も直せる?と聞く。

タケオはある日、前にボコボコにしたヤンキーに返り討ちに遭うが、アサトに助けられる。その方法は自分の身体についた傷を相手に移すというもの。傷は半分になるんじゃなかったのか?骨が折れたら、両者にヒビ入るんじゃないのか?タケオがいくら止めてもアサトは子供の傷を自分の身体に移し続けるので、傷の捨て場所だと言って自分の親父を紹介する。親父はなんと病院で意識不明(なんでなんで意識不明になってるのかは不明)その寝たきりの親父に傷を移すアサト。

んで、まぁいろいろありまして(笑)

シホはいつもマスクをしている。何故マスクをしているのか?シホは昔ひどいイジメに遭い、クラスのみんなに半殺しにされた。その時の傷が口に残っていて、マスクを外す事が出来ない。その事を泉谷しげるから聞いたタケオはマスクを無理矢理外させ、傷を確認する。「今からやったヤツを探して半殺しにしてくる!」アサトは「僕ならシホの傷をとってあげられる」というがタケオは「シホが好きか?本気でシホが好きなら、あの傷はとるな」と忠告して出て行った。シホはバイトの帰りにヤンキーに絡まれるがいきなりアサトが助けに入る。あきらかに貧弱そうなアサトを見て、ビビって帰るヤンキー。アサトとシホはキスをして、その時にアサトはシホの傷をとってあげる。

んで、いきなり何の理由もなくシホは街を出て行って(笑)アサトの口には大きな傷が残る(半分にする能力なのに、シホの口には何一つ残ってない、さらに言うと、タケオの親父に傷を移してない。移すとバレるから?)なんやかんやあって、アサトは刑務所のお母さんに会いに行く。お母さんはアサトを恐れていた。恐れるどころか、怨んでいて、父親が狂ったのはあんたのせいだと、そしてお母さんがこんな目にあったのもあんたのせいだと、あんたなんて生まれて来なければよかったという。

タケオは父親のいる病院にいく(そこで病院名が出るのだが、なんとその病院の名前は木更津総合病院!そうタケオが腐った街と罵り、ヤンキーと錆びれた公園しかない街は木更津なのである)めったに見舞いに来ないから身体は私たちがふくんですよぉという看護婦さん。すると親父についていた傷がキレイさっぱりなくなってる!さらに同時に高速道路で事故があったとけが人が舞い込んで来る!そのけが人には傷がついてないらしい!すべてを悟ったタケオは高速道路へ向かう。すると傷だらけのアサトが!アサトはシホに裏切られ、母親に罵られ、この世に絶望していた。必死で止めるタケオだが、アサトは次々に重傷の人の傷を自分の身体に移していく。ついに倒れるアサト。だが、タケオに脚のケガを移して、自分は歩いて、さらに人を助ける。もう死んでしまうからと、母親に何言われたか知らないけど、友達に頼れと必死の説得でアサトの傷を半分もらうタケオ。2人で横たわってると、爆破したバイクの火が事故った車のガソリンに引火寸前!事故って横転した車の中にはなんと、赤ん坊を含めた家族が!2人は傷だらけで動けない!どうしようと思ってると、なんとアサトが傷を取り除いた人達が必死に救おうとしている!というか、お前ら元気になったくせに何してたんだよ!もちろんこの一連の流れは全部スローモーションでとても長い…

まぁ、ここからは絵に書いたようなハッピーエンドなわけで、こうやって書くとおもしろそうかもしれないが、ホントにありえないくらいのつっこみどころが満載で、観てる途中で何度も何度も帰りたかった。逆に他の人はどういう感想だったのか聞きたい。あういぇ。