魁!!男塾

21時に『魁!!男塾』鑑賞。原作はまったく知らないので、そのへんの比較は出来ません。なので、映画単品の感想になりますが…

私はこういう映画を応援したいし、こういう映画がどんどん作られる事を期待したい。私はバカ映画と呼ばれるものはとても好物で、実際に私もこういう映画なら喜んで作りたいとも思う。でも、『魁!!男塾』はやっぱりダメだ。『スキヤキウエスタン ジャンゴ』はそうでもないと思ったけど、『魁!!男塾』を観てからだと、とてつもない傑作であった事が分かるし、何よりも坂口拓と言えば思い出すのは『VERSUS』なので、北村龍平監督がいかに素晴しいか再認識した。

魁!!男塾』の魅力はなんだろう。軍国主義の縮図のような男塾と呼ばれるハチャメチャな場所。荒唐無稽な展開。麿赤児演じる塾長の圧倒的な存在感。民明書房(もちろんその元はない)の書籍を引用した説得力。派手なアクション。強引なバカさ加減、坂口拓のかっこよさ、こうやって1つ1つとってみると悪くないじゃないか。

でも『魁!!男塾』は言うほどおもしろいわけじゃない。いやぁ、すごく感想が難しいんだけど、例えば、芸人を観て。人はすごくおもしろいと言うけど、自分にとってはつまらないっていうパターンがあるでしょう。『魁!!男塾』もそうなんだと思う。正直、個人的にはギャグは全部スベっていて、サムかった。マンガも初期はかなりのギャグ漫画らしいが、マンガに対する思い入れが強すぎるのか、ホントにマンガそのまんまというギャグばかりなのである。

例えば、チャウ・シンチーの『少林サッカー』という映画があるが、実は私は『少林サッカー』を観てもそこまで爆笑する事はない。むしろ監督の作り出す完璧なギャグの数々とCGによる完璧な再現に感動すらした。チャウ・シンチーの映像感覚はデ・パルマのそれを観てるのと同じ感覚で私は観る。

ところが『魁!!男塾』はそのギャグが完成されてなくて、もっと突き詰める事は出来たんじゃないかと思う。冒頭で塾長が叫んだだけで校舎の窓ガラスが割れるというシーンがあるが、あれももっともっと大げさにすればよかったと思うし、視覚的に見せる荒唐無稽なギャグが全部荒いのだ。

アクションシーンはさすがの一言だが、それでも北村龍平監督のかっこよさや美しさは無い。長いワンテイクのアクションもあったが、撮り方はもっともっと工夫出来るはずなのだ。特にクライマックスになると、そのアクションのカッコ良さが急に破綻する。同じようにバカバカしいカンフー映画だったら『片腕カンフー対空とぶギロチン』があるが、あの映画。カンフーはヘタクソなのに、長いワンテイクで撮り方が上手いから、最後の決闘でもハラハラするし、どうなるか分からないドキドキ感もある。『魁!!男塾』にはそれがまったくと言っていいほどなかった。まぁそういう意図があると言われればそれまでだが。個人的にはせっかくアクションに関わってる人が監督しているのだから、アクションシーンはもっとこだわって欲しかった。

うーん。今日の感想文は的外れですね。原作も読んでないし、まぁ、私はこう思った程度に読み流して下さい。あういぇ。