『20th Century Boy』を使ったのは偉い


妹と『20世紀少年』の話を延々する。妹は「主題歌をエグザイルとかじゃなくて、ちゃんとT-Rexの『20th Century Boy』にしてるところがいい。」と評していた。確かにそうだ。タイトルがT-Rexから取ってるのに『20th Century Boy』を使わなければ意味無し。むしろ、それが出来なければ、映画化なんてやめちまえ!というところだろう。なので、CDをしまっている棚からT-Rexを引っぱり出して、久しぶりに聞いた。

T-Rexは個人的にそこまで思い入れはなく、初期のフォーク的な要素もグラムロックと呼ばれてるのも、しょぼいシンセを導入してるのもピンと来ず、やはりロックバンドという認識になるが、個人的に『20th Century Boy』はやっぱり代表曲で、ストーンズ的なリズム、手拍子、リフをきっちり昇華したロックンロール。むちゃかっこいい。実際、『20世紀少年』の予告編の記事の時に書き忘れてたが(4時頃だったもんで)あのイントロのリフ、手拍子、コーラスが見事に合っていて、音楽の力を感じさせる。

久しぶりに聞いたら、T-Rexってもっと音がショボかったイメージがあったんだけど、やっぱり『20th Century Boy』は飛び抜けてかっこいい。まさにロックだ。最近、ロックバンドがどーのこーのとか、土屋アンナがロックだとか言われてるけど、やっぱりこういうのを聞くと、ロックだなぁって思うし、ロックだなぁと感じさせてくれる。ロックの定義が曖昧になってきて、ギターロックだとか、和モノの旋律がどーのこーのとか、細分化されすぎてるでしょう。だからここらで、個人的にこれぞROCKだなぁと思う曲を挙げてみる事にした。あくまで私の感覚での分け方なので、それはロックじゃないだろう!というツッコミはやめてねん。

1『Layla』Derek & The Dominos
2『Jumpin'Jack FlashThe Rolling Stones
3『Immigrant Song』Led Zeppelin
4『Miss Judy's Farm』Faces
5『Helter Skelter』The Beatles
6『Steppenwolf』Born to Be Wild
7『substitute』The Who
8『Hundred Mile High City』Ocean Colour Scene
9『Some Might Say』Oasis
10『Bring 'Em In』Mando Diao

1はダントツ。何度聞いたかわからん。エリッククラプトンは名曲すげぇ多いけど、ダントツで好き。アンプラグドバージョンも好き。神曲。2はストーンズではダントツ。ロックというのはリフが大事なんだなというのを思い知らされる1曲でカラオケで歌っても楽しくないところもロック(笑)3もベタでもうしわけないが、リフものとして考えると『Black Dog』とかになるんだけど、個人的にリズムと冒頭の「あぁぁぁ〜あぁ!!」の組み合わせが神。もちろんオールドなロックンロールを体現した『Rock & Roll』も最高に好き。ハードロックの原点。4はフェイセズの中でもあえて『Stay With Me』じゃなくて、こちら。ロックというのはルーズだ。奥田民生はそこを分かってるから偉い。フェイセズパロディが満載の『股旅』もオススメ。5はビートルズではダントツのロックナンバー。ヘビメタの元祖とも言われてる通りの、シャウト、騒音が凄まじい。歌詞も「ひっちゃかめっちゃかだ!」とか言う(笑)アンソロジーに入ってるバージョンはブルース色が強く。とどのつまりロックの原点はブルースなんだなと改めて思い知らされる。6も文句無し。つーか『イージーライダー』最強説。7は私の中でザ・フーと言えばこれ。邦題が『恋のピンチヒッター』というのもナイス。この曲ってパワーポップの原点だよ絶対に。8はロックの暗黒期である80年代を越え、70年代のロックの影響を感じさせるバンドが出始め、その中でも飛び抜けたセンスを持つ、オーシャン・カラー・シーンの代表曲。『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』のオープニングナンバー。巷ではネオモッズだとか言われてるが、個人的にフーもスモールフェイセズもモッズだという認識がないため、やはりオールドなロックンロールナンバー。とりあえずフレッドペリーのシャツでも着ましょうかね。9に関して言うと、オアシスを入れるのはホントにベタだよなぁと思ったんだが、この『Some Might Say』のイントロのリフは90年代の扉を絶対的に開いたと思う。もっと言うと1枚目の『Cigarettes And Alcohol』も同じ方法論の楽曲だが、『Some Might Say』の方が先に体験したというのもある。ビートルズともストーンズとも違うロックンロールは、やはりオアシスならではだと思われ。もちろんこれよりも好きな曲あるけど、ロックと聞くとこれだな。10のマンドゥ・ディアオは2000年代に入って、こんなにバカ正直なロックンロールをやってるバンドがいるのかと感動。ガレージな感じで、ビートルズよりも前の世代の音楽からの影響を素直に感じさせ、また売れてる事が信じられない。ブラッククロウズよりもやってる事がおもしろいと感じるのも不思議。日本もこういうバンドが出て来るべき。良い曲多いが、中でもイントロの高速ボトムリフからテンションがマックスになる『Bring 'Em In』をチョイス。

もちろん入れ忘れた曲とか、大好きな曲もあるが、個人的にロックな曲はこういう感じであって、ブルースから直結したものがメインになる。だからクリームとかも好き。メタルはやっぱりロックじゃないんだなぁ。あとドラムに過剰にリバーヴがかかってるのもダメ。だからジョン・レノンのソロワークはロックっぽい感じがない。もちろんそれは一部の楽曲の話だが。80年代のロックがダメなのもそこだと思う。ボン・ジョヴィは別だが。機会があったら、これの日本版もやってみようと思う。あういぇ。