PIED PIPER

PIED PIPER(初回限定盤)(DVD付)

PIED PIPER(初回限定盤)(DVD付)

the pillowsのニューアルバム『PIED PIPER』を聞く。ハッキリ言って傑作である。the pillowsの中でも3本の指に入る傑作。というか、スピッツもそうだが、なぜこれだけクオリティの高い作品を作り続ける事が出来るのだろう。

正直『MY FOOT』は後半が弱かったりもしたので、『Wake up! Wake up! Wake up!』や『PIED PIPER』が過去の傑作を凌駕し始めてる。個人的に近年の作品は『LITTLE BUSTERS』や『HAPPY BIVOUAC』という名盤に並ぶ出来だと思う。正直『GOOD DREAMS』や『Thank you, my twilight』は微妙だったので、どうなのよ?と思ってたが、やはり私はthe pillowsが好きだ。WeezerOasisですら、1、2枚目を越えられてないのに、これは驚異的である。

スピッツの『さざなみCD』だって、今までの作品に比べれば劣るが、巷に溢れてる生温い音楽に比べれば、飛び抜けたサウンドである。ミスチルが失速している今、the pillowsにはホントに頑張って欲しいものだ。

PIED PIPER』は完全に前作の延長線上にあるアルバムだ。ただ、ギターの音がすごく良く録れていて、コード弾きだけなのに気持ちよく聞こえる。良い意味でゴージャスじゃないというか、ちょいガレージ風味というか、ライブ仕様というか、しかも『Wake up! Wake up! Wake up!』はロックンロールになってきてたから、グランジテイストやバラード、シャッフルビートやホーンセクションを使ってポップに仕上げた『PIED PIPER』は、過去のthe pillowsの良いところを全てぶち込んだような作品になっている。

しかも『PIED PIPER』には捨て曲が見当たらない

1発目から一気にグランジ&ロックンロールの世界へ。シングル曲の『New Animal』はこれぞthe pillows節のリアルポップロック。この曲のギターはホントに良く録れてると思う。歌詞も素晴しい。聞いてなかったのでこんな曲だとは思わなかった。曲的には『サードアイ』風。シンプルなギターとシンプルなメロディ、あいかわらずのシンプルなエイトビートとルートを抑えるベース。いや、ロックはこれでいいんだよ。

3曲目の『No Surrender』はベストトラックだ。完璧である。『ROCK'N'ROLL SINNERS』を彷彿とさせるthe pillows特有のナンバー。サビメロで高音に行くところは山中さわお独特の節回しで思わずニヤリ。

4曲目の『Last Holiday』は悶絶の名曲。こういう曲も作れるところがすごい。個人的には3、4曲目だけでお腹いっぱいだ。シングル曲も越えてくる。「今日で世界が終わるなら君は 誰に会いたい? 僕は地平線で待ってる」というフレーズが染みる。『スケアクロウ』にも負けない力強さ、傑作。

『Tokyo Zombie (The Knock Came At Dead Of Night)』は箸休め的なインストで、アルバムの後半もビシビシくる。『Across The Metropolis』は『プロポーズ』や『空中レジスター』を落ち着かせたような感じで、サビメロが個人的に気に入っている。というか、誰が聞いてもthe pillows節。

攻撃的な『Purple Apple』を抜け、シングル曲を2曲畳み掛けた後にシャッフルリズムの『That's A Wonderful World (Song For Hermit)』そしてラストの『Poison Rock'n'roll』まで隙無し。

しかし、これだけの傑作を作ってしまったら、次どうすんだよ??期待してていいんだよね??

んで、すげぇ久しぶりにカウントダウンTVを観たのだが、最近の音楽シーンはホントに病んでると思う。KELUNの新曲がランクされてた事くらいが唯一の救いだろうが、

そう言えば、私、FUNKY MONKEY BABYSとGReeeNの違いが分かりません。なんかおっさんみたいな事を言ってるが、J-POPっていい感じにフォロワーが生まれにくいんだよなぁ。これはアジカンとBUMPが一緒に聞こえるというのと同じレベルだろうが、誰か、簡潔に、この2組の違いを教えて下さい。ちなみに私はアジカンとBUMPの違いは瞬時に簡潔に答えられますよ。ただ、ギターの音だったり、テクニック的な事だったりするから、それがちゃんと伝わるかどうかは不安だけどね。

the pillowsの『PIED PIPER』4週目です。ホントにいいアルバムだ。