藤沢ルーザー

藤沢ルーザー
友人とコーヒーを飲みに行った時に、ヒマだったから、KELUNのニューアルバムでも無いかなぁと思って探しに行ったんだけど、ASIAN KUNG-FU GENERATIONが新曲出してて、タイトルが『藤沢ルーザー』って書いてあって、あ、いっつもカップリングでやってる湘南のヤツじゃんと、一発録りかなんかでやってるヤツじゃんと、カップリングでやってたヤツを、シングルA面に持ってくるという事は、これ、かなりおもしろい試みだなぁと思って、視聴したんだけど、これが、

やばいくらいにかっこよくて、マジでそのままCDを買いそうになってしまった。

正直、アジカンは『アフターダーク』と『転がる岩、君に朝が降る』も意外と好きで、でも『或る街の群青』がとにかく最高すぎて、頭1つ抜けてるから、それを越えられないってのがあって、

んで、新曲の『藤沢ルーザー』なんだけど、マジでほんっとにいい!楽曲の完成度は高いとは言えないんだけど、何がいいって、やっぱり、アレンジとメロと歌詞と勢いが同じ方向を向いてるというか、なんか、すべてがあるべくしてある。みたいな?空気があって、水があって、土があって、太陽があるから、植物は育つみたいな?なんか、がつんと来たよ、うおー!ってヘッドフォンから溢れ出る楽器と楽器の柔らかなぶつかり合いが、オレの心を見事にエレクトさせたよ。ちょーかっけー。マジでバリヤバだぜ!


ASIAN KUNG-FU GENERATION/藤沢ルーザー

『藤沢ルーザー』のイントロがいいというか、最近のアジカンの音はすごくいい。それを最初に感じたのが『桜草』なんだけど、明らかにエフェクターでガチガチに歪ませた音ではなくて、アンプとギターそのものの音で歪みもちょい柔らかでさ、しかもパワーコードにして気持ちがいい音に設定してあって、ホントに最近のアジカンの音はくるりのように職人と化してるんだけど、だから楽器と楽器の柔らかなぶつかり合いという風に書いた。

『桜草』から、音の変化が見られて(個人的な印象だけど)『アフターダーク』でやられたよね、今度はオクターブの音がすごくキレイに鳴ってた。んで、『ワールドワールドワールド』で完全にアジカンは自分たちの音を手に入れたんだと思う。

そんで、気持ちいい音。ロックにおける気持ちいい音。それ追求していって、その最高峰が『藤沢ルーザー』だと思う。『ワールドワールドワールド』は緊張感があって、正座して聞く感じの重苦しいテーマがあった、楽曲自体はポップで分かりやすかったけど。歌詞がとにかくずばぬけてレベルが高い。いわゆるJポップ的なバカバカしい事は書かれてない。

「戦争をなくす」とか「炸裂 目も眩む熱さで何もかも吹き飛んだ」など、反戦という大きなメッセージを直接的な言葉と抽象的な言葉の両方で紡ぎ、それをロックンロールで変えようと、変えたいけど、結局は変えられないじゃないか、でも何か出来るじゃないか、っていうもがきと、それでも「朝は降る」という希望を歌っている。「朝が来る」んじゃなくて「朝が降る」ってのがいいよね、朝日が降ってくるって誰も考えない。

今回の『藤沢ルーザー』はまったくそれとは違う、緩い、私が思うロックのバカっぽさが全面に押し出してて、ああ、そう、ロックってこうだよなと、

アジカンって言うのはホントにネガティブな歌詞が多くて、歌詞のほとんどが“繋がり合えない”事だとか、挫折、でもそれが現実という事をメインに歌ってるんだけど、今回はルーザーというタイトルそのままに負け犬の歌。自分の持ってる夢を抱えるものの、会社勤めをしてしまうというPVの内容そのままの歌詞になってる。アジカンも全員がサラリーマンを経験してるだけに、もしそのまま会社勤めをしてたらどうなってただろう?という視点から書いたのかもしれない。まぁ、歌詞の真意はアーティストが語ってくれないとね、ただの解釈だからさ。

ああ、とにかく欲しい。マジで買おうかなぁ、ただアルバムが来月に出るから、それまではyoutubeで我慢するのだ。