モーターサイクル・ダイアリーズ

モーターサイクル・ダイアリーズ』鑑賞。傀儡国家であったキューバ社会主義国家にした、キューバ革命の立役者であるチェ・ゲバラが若き日に南米旅行した際に書いた日記『モーターサイクル南米旅行日記』を元に映画化した作品。製作はなんとあのロバート・レッドフォード。基本的にですね、若い時って、こう革命的な事に憧れるわけで、社会主義とか、リベラルな政治思想に憧れるというか、かぶれるというかね。『グッバイ、レーニン』なんていう秀作もあったけど、基本的に、格差とか、資本主義社会における男子のあり方ってのはどーも気に喰わないんで、だから『ファイト・クラブ』とかすげぇ好きだし。というか、タイラー・ダーデンの言葉は細木のくそデブなんかより、ずっと心に残るし、っていうか、もしこの世に「金儲け」がなかったら、オレはとっくにブルース・リーを目指して、今頃はジークンドーでも習ってるって話なのよ。だから『少林サッカー』には燃えたんだよね。金儲けしか男の価値が認められない。男らしさはこの資本主義社会ではなんの役にも立たない。だから少林寺拳法の師匠達は、スーパーの棚卸しをしたり、場末のスナックで働いてたりしてるという。子供の頃、ブルース・リーを目指して、それになったとしても、現代では何の役にも立たない!でも男の憧れだろ!という、男としては非常に泣ける映画だったわけだ(そういう事を知らずにクソだと叩く脳みそツルツルのクズやその他日本の評論家はこれから映画観る価値無し、つーか男として生きる意味無し)だからと言って、社会主義国家はみんな崩壊している。だから一概にどっちが良いとは言えない。つっても政治の事なーんも知らないけどさ。いや、マジで。日本の政治家何人いるかわかんないし。

あ、そうそう、『モーターサイクル・ダイアリーズ』は今や革命家のポップアイコンとも言えるチェ・ゲバラが革命に目覚めるきっかけになった南米の旅を映像化したロードムービーだ。これと言った見せ場もないし、なんの展開もないと言えばない映画だが、ぶっちゃけ号泣した。涙が止まらなかった。アマゾン川を泳いで渡るシーンがあるんだけど、そこは北島康介の金メダルの何百倍も感動した。ゲバラはすっげぇ金持ちで裕福な家庭に育ってるのに、なんで、革命に参加したのか?何故、革命に命を捧げなければならなかったのか?がよく描かれてると思う。言えばバイクにまたがって世界各地を放浪するという、どーでもいい旅なんだけど、これさ、絶対に中田英寿観たよね?じゃなかったら、あんな旅しないと思うし、あんな番組にしないと思う。中田は「汗かくのだけがイヤなんだよねぇ」とか生意気ぬかしてたけど、ゲバラはちゃんと貧乏旅行してる。飯を食うのにも一苦労して、それどころか、人もダマして、姑息に旅を続ける。モーターサイクルと言いながらも後半の1時間はヒッチハイクによる旅になり、大自然をバイクでぶっ飛ばすという絵が観られなくなりそれが残念だが(私は『イージー・ライダー』とか『バニシング・ポイント』とか、ただ荒野を車やなんかで突っ走るだけの映画がちょー好きなのだ)後半はハンセン病の人とのふれあいを軸にしていて、サッカーをするくだりや先ほど書いたアマゾン川のシーンなど、泣かせるシーンが連発され、号泣必至の映画になっている。

私の親父は「若い時ってのは必ず、ゲバラ太宰治坂本龍馬に一度はハマるんだ、あと社会主義に憧れを持つのは当たり前だ」と言ってて、家の書庫にもしっかりとカストロの本とゲバラ日記があったので、やっぱり読んでおかなければならないんかなぁとか思ったりするのであった。あういぇ。