29歳で童貞の派遣社員にモテ期到来!

2日の夜
GOGOモンスター』をまたまた読んだのだけれど、やっぱり松本大洋で一番好きなのこれかもしれない。

GOGOモンスター

GOGOモンスター

GOGOモンスター』ってそれこそ『ライ麦』の松本大洋版って感じで、それまでの作品と違って、アクションが全くなく、純文学をマンガにしてみましたみたいな感じがとても良くて、展開があるわけでもないのに、さくさく読めてしまう不思議なマンガだ。ぼくはこのマンガの主人公である立花ユキの気持ちがすごくよく分かる。『ライ麦』のホールデン、『ゴーストワールド』で言えばイーニドのようなヤツ。ホールデンには自分を客観視してくれるキャラクターはなく、ホールデンの目線で物語が展開するが、『ゴーストワールド』にはレベッカというキャラが普遍的な思想を持った人間として、イーニドがどれだけ大人になりきれてないかが分かる。『GOGOモンスター』も同じように、マコトという少年を配置する事で、どれだけユキが大人になれないかが分かるのだ。だから『ゴーストワールド』が好きなら『GOGOモンスター』も好きになるはずである。もちろん『ライ麦』に感銘を受けたボンクラも必読せよ。

万代書店に1時頃行って、いろいろマンガを物色する。『ピンポン』を探しに行ったのだけれど、無くて、たまたま目についた『陰陽師』を一気に大人買い。『陰陽師』のブックデザインも祖父江慎らしい。なんか、最近やたら、祖父江慎という名前を見てるなぁ。もちろん祖父江慎のデザイン好きですよ。

3日の昼
11時まで寝て、チーズカレーを喰らい、ブックオフに行って『ピンポン』を2冊購入。100円。さらに吉田戦車やらなんやらを買う。吉田戦車のマンガも祖父江慎だった。まぁ祖父江慎は『伝染るんです』のブックデザインで有名になったんだけど。

松本大洋の『ナンバーファイブ』を久しぶりに読むが、前に読んだ時よりも印象が良く、難解なイメージはさほどない。それでもわけわかんねーところもある。『GOGOモンスター』はアクションの無いマンガだったけど、こちらはアクション満載。松本大洋のアクションシーンの描写好きなのよね。必ずロングショットでしょう、人が死ぬときの描写が、あれが黒沢清みたいで好きなんだねぇ。

3日の夜
帰ったら妹に『モテキ』というマンガを渡される。おすすめという事で、読んでみたのだが、これが無茶苦茶おもしろい。

モテキ (1) (イブニングKC)

モテキ (1) (イブニングKC)

29歳童貞の草食男子にある日突然モテ期がやってくるのだが、デートをまともにした事もなければ、セックスもまともにした事なく、さらに中途半端に純粋な為、ことごとくチャンスを逃して行くというありそうでなかったストーリーで、今年は電車男などのアキバ系じゃなく、草食男子のドラマなどが公開されるのかもしれない。というか、草食男子って言葉が流行ってるが意味がいまいち分からん。アキバ系なのか?

それはともかく、この『モテキ』というマンガ、ぼくはものすごく共感する。童貞が頭の中で描きやすいであろう、女の子に対する想い、セックスに対する理想と現実、女の子ってよく分からん!!という魂の叫びなど、とても分かりやすく描かれていて、銀杏BOYZのように『夢で逢えたら』を唄う一方で『あの娘は綾波レイが好き』を唄うような、奇麗な部分と汚い部分をしっかり描き分けててとても良い。モテ期をテーマにしながらも、マンガだからといって、べらぼーにモテてるわけでもなく、これくらいだったら、あるある!というほどほどの人数というところもすごく共感する。

ただ、童貞という風に主人公は言っているが、実際、マンガの中では初体験を済ませていて、それが酔ったいきおいだったか、成り行きかなんかで、中途半端だったためにセックスの仕方がよく分からないという設定になっている。なんで、そういう設定にしたんだろう?ただ、それはそれで無茶苦茶リアルなんだよな(笑)

草食男子の行動や、童貞が考えそうな事をリアルに書いているんだけど、なんと作者は女らしい。す、すげぇ。どこまで妄想を膨らましているんだ(笑)

人生で三回は訪れるというモテ期を題材にした『モテキ』童貞も童貞じゃない人もマジでおすすめ。『喰わせもん』のマニアックな引用などもあって、マンガオタクも楽しめるはず。

土曜は休みだけど、クレジットカードが届いたようなので、いろいろ登録したり、マンガ入れる棚を見に行ったりで忙しくなるはず、あういぇ。