『鴨川ホルモー』と『神々LOOKS YOU』
19日夜
仕事の休憩中に『手塚治虫 ビッグ作家 究極の短編集』を読む。青年コミックで連載された手塚治虫の短編集。手塚治虫は短編の方が好きだったりもするんだけど、このビックコミックの短編集はすごくよかった。オチもいいし、ひねりも効いてるし、ブラックジョークもエロもあって、やはり手塚治虫の怪しい世界のマンガはおもしろい。
手塚治虫 (Big comics special―ビッグ作家究極の短編集)
- 作者: 手塚治虫
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 1997/09
- メディア: コミック
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20日朝
『血の収穫』を読んで、10時30分より『鴨川ホルモー』鑑賞。
千年の歴史を持つ日本古来の競技“ホルモー”に興じる若者の青春という、突飛な発想をGONZOのCGと京都オールロケで見事に映像化した作品。確かに大木凡人にそっくりの女とかちょんまげを結ってる男とか、ふざけてるわけだけども、タイトルに反して意外と普遍的な演出の青春映画になってた。
じゃあ何がおもしろいって、やっぱりホルモーするシーン。ここはとにかく最高だ。オニを引き連れて戦うという絵は明らかにニンテンドーの『ピクミン』だが、独特のオニ語と妙な決めポーズでホルモーするシーンは完璧で、これを創り上げたら、後はどうにでもなるだろうというくらいおもしろい。そのへんちくりんなポージングに合わせ、『300』の如く、自在なモーションの中でカメラがグリングリン周り、オニが殴り合うという絵が加わる事で唯一無二と言って良い世界が繰り広げられる。
山田孝之と栗山千明と濱田岳と荒川良々は全員完璧すぎる演技を披露しているが、惜しいのは山田孝之にとってのマドンナとライバルがヘタクソだった事。石田卓也は二時間の間どなりちらすしか能が無く、海外出演も経験している芦名星はセリフの言い回しがガタガタ。イケメンとスタイル抜群の美女という部分しか求められてないからしょうがないにしても、山田孝之がマンガチックなリアクションでさえもうまくこなすので、下手さ加減が目立ってしまってかわいそうだった。
あと見事だったのは、Base Ball Bearの主題歌。『神々LOOKS YOU』これが映画の内容と呼応する神曲。
ぶっちゃけBase Ball Bearは『C』しか聞いてなくて、そこから遠ざかってたのだけれど、まさかここまでのレベルの曲を作るようになってたとはおじさんも驚きだ。
Base Ball Bearは個人的に天才集団の一つだけど、それでもやっぱりナンバーガールの呪縛から離れられないバンドなんだろうと思ってた。裏打ちのハイハットを多用したリズムとはっぴいえんどばりの複雑なコード進行にはセンスを感じたが、歌詞の世界観と高音ギターはフレーズも含めて、ナンバーガールを気取りすぎてる気がした。『スイミング・ガール』や『GIRL FRIEND』は誰がどう聞いても初期のナンバーガールのごった煮だし(Base Ball Bearが一部のロックファンに嫌われてるのはこういうところにあるんだと思うが)
ところが、『神々LOOKS YOU』はメロも歌詞もアレンジも素晴らしく、もうナンバーガールのパクリバンドとは言わせないというくらいの完成度。意識的にへんちくりんなコード進行にメロを載せてたが、今回はメロの作り方と言葉の載せ方にミスチルや岡村ちゃんっぽさも感じ、ポップソングとしても極上の出来。小出祐介の歌唱法も確立された感があり、久々にアルバムが聞きたいと思わせてくれる曲だった。
クソくだらないタイアップが溢れてる中でこういう映画の世界観にあったアーティストを起用し映画を盛り上げるというのはいい。そういう観点から行っても『鴨川ホルモー』は嫌いになれないタイプの映画だった。
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ブックオフに行き、万城目学の『鴨川ホルモー』と『鹿男あをによし』を購入。あの映画は絶対にこの原作がおもしろいんだろうと思ったから。後者はなんとなく。
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もうちょっとしたら仕事だよ。あういぇ。