スラムドッグ$ミリオネア


26日朝
今日はなんと朝の7時半から『スラムドッグ$ミリオネア』のプレス試写って事で、起きれたら観ようと思ってたのだが、なんと起きれた!自分でも引くのは、子供の頃の遠足の如く、死ぬほど楽しみにしてる事があると、どんなに深酒しようとも起きれるって事なんですなぁ。引くわ!小学生か!いや!引くな!(笑)

つーわけでアカデミー作品賞を受賞した『スラムドッグ$ミリオネア』観ましたよ。ちゃんと観たよ。西田ひかるみたいにダウンロードしてないよ(笑)

スラム育ちのお茶くみジャマール君がインドの国民的番組(つーか日本でもおなじみ)であるクイズミリオネアに出演。瞬く間に全問正解するが、スラム育ちの青年に「そんな事出来るわけない」と不正の疑いをかけられ、警察に連行される。取調室でオンエアされたVTRを観ながら、「何故この問題が分かったのか?」と一つ一つ質問して行く刑事。質問に答えて行くジャマール君。そこで次々明かされていく、衝撃の人生、、、、

ジャマール君は何故ミリオネアに出演したのか?
ジャマール君は何故問題の答えを知っていたのか?
ジャマール君は何故ドロップアウトせずに勝ち続けなければならなかったのか?……

とにかく最高だ!

今まで培って来たダニー・ボイルのテイストが大爆発!言えば、『普通じゃない』(運命的なラブストーリー)+『28日後…』(手持ちデジカムの機動性重視映像)+『トレインスポッティング』(社会的に底辺に居る若者が大金を得る)+インド風味。ストーリーは非常にクラシカルなものなんだけど、土台がクラシカルな分、映像は凄まじくパンキッシュ!スタイリッシュでスピード感ある映像と素早いカット割りがインドのスラム街と出会った事で化学反応を巻き起こす!!一人一人の役者の選び方までも見事で、主人公達3人の幼年期、少年期、青年期をそれぞれ演じた無名の役者はホントにホントに素晴らしい!何よりも、ジャマール君が駆け抜ける壮絶な人生とインドの時代背景がバッチリ重なった展開はジェットコースターのようで、最初から最後まで目が離せない!

モンタージュとカットバックがここまで見事に相乗効果をもたらした映画は久しぶりに観た!そうだ!そうだよ!映画ってこうだったじゃん!!映画ってのはモーションからエモーションを生むんであって、それは『エグザイル/絆』でもあったけど、しっかりモンタージュさせりゃぁさ、説明的なセリフ無くても感動が生まれるっつーの!!

もちろん『スラムドッグ$ミリオネア』が嫌いな人も多いだろう。細部まで突き詰めた脚本とは言いがたいし、中盤はダレる。ただ、そのダレる中盤もラストに向けた助走だと思えば、何の違和感も感じない!映画の中に出て来た警官と同じく、スラム育ちを知らない我々も、ジャマール君の壮絶な人生に思わず言葉を失い。グッとその話に引き込まれてしまう!

何よりも学の無い男がスラムで得た経験と知識をいかし、警官に踏みつぶされそうになってもけっして負けずに、決勝に向かうその姿に素直に感動したっ!

アクション!恋愛!運命!バイオレンス!感動!歴史!狂気!ミュージカル!をスパイス効かせて煮込んだ『スラムドッグ$ミリオネア』今年、最も重要な一本にして、間違いなくベスト1候補!ダニー・ボイルの最高傑作!見逃せない!必見!あういぇ!