夏のリヴィエラ
森進一の『冬のリヴィエラ』という曲が好きである。
森昌子との離婚や川内康範との確執によってダーティーなイメージがある大御所だが、ぼくはこの人の曲が好きだ。言っても、歌唱法やら、演歌歌手としての活動には1nanoも興味無いが、この人の音楽に対する姿勢というか、どん欲にいろんなジャンルを歌おうとするスタイルが好きだ。自分よりも若手だろうが、後輩だろうが、森進一に楽曲を提供した人は吉田拓郎や井上陽水、長渕剛、細野晴臣など錚々たるメンバーである。
特に長渕と一緒に出た紅白では、バックにいた長渕の方が目立ってしまったというのもあったりして、楽曲に負けてるようなところもあるが、それでも大御所にしては精神状態が非常に若いと思う(歌い手として)。
森進一と言えば『おふくろさん』とか『襟裳岬』という事になるんだろうが、やはりもう一つの大ヒット曲である『冬のリヴィエラ』を忘れてはならない。
作詞:松本隆、作曲:大滝詠一という元はっぴいえんどのコンビで作られた楽曲で、ぼくは大滝詠一から入ってこの曲の事をちゃんと知ったんだけど(一応テレビで流れる程度には知ってた)、初めてCDでちゃんとした音源を聞いた時にぶっとんだ。そこで展開されたのは、森進一のイメージとはほど遠い、見事なナイアガラサウンド(ウォール・オブ・サウンドから影響を受けた大滝氏が自身の名前をもじって命名した。大滝→大きい滝→ナイアガラ。)だったからだ。
あまりに大滝色が強いため、森進一の声がものすごく邪魔で、ヒットしたのは曲自体がすごくよかったのと森進一の知名度もあっての事なんだろうが、今聞くと森進一の歌唱法がとてもうっとうしい。それでも『おふくろさん』に比べれば幾分抑えてあるんだけど、Aメロの出だし一発の低音部分だけはとても気持ちが悪い。
松田聖子の『風立ちぬ』を聞いた時も思ったんだけど、『冬のリヴィエラ』も大滝詠一本人が歌った方が絶対にいいのになぁと思っていた。
んで、調べてみると、なんと『冬のリヴィエラ』は大滝詠一本人が『夏のリヴィエラ』として英語詩でセルフカバーしているらしく、それはアルバムに収録されてるのだが、その元々のアルバムはプロモーション用のもので、販売してないらしく、CD化された時もすぐに廃盤になったのでプレミアがついている。
その事は前から知ってて、聞きたいなぁと思ってたのだけれど、今日、なんとなくyoutubeで調べたら、あっさりそのセルフカバーが見つかった!!うおー!!アップしてくれた人に感謝!!
んで、初めて聞いたんだけど、いやぁ、、、やっぱりこれだよね。感銘深いぜ。んで『風立ちぬ』も大滝さんが歌ったバージョンがあったんだけど、これもやっぱりめちゃくちゃいい。
ラブジェネの主題歌である『幸せな結末』のおかげで若い人にも認知されてる大滝詠一だけど、ポップスの職人としてもっともっと知られるべきだと思うなぁ。
実はぼくは大滝詠一の曲では『恋するふたり』という曲が好きなんだけど、『幸せな結末』に比べると有名じゃない気がする。ものすごい良く出来た楽曲なんだけどなぁ。
というわけで、これから松田聖子のアルバム『風立ちぬ』も探そうかなと思うのであった。ミスチルの『東京』やサザンの『LOVE AFFAIR〜秘密のデート〜』は明らかにナイアガラサウンドなんだけど、その辺の事は『恋するふたり』に絡めてまたいずれ書こうと思う、あういぇ。
あれ?いつの間にか森進一がどっかいっちゃった!