Where Were You, When I Needed You

まずはこれを聴いてみてください↓

これはGRAPEVINEというバンドがアル・クーパーの名曲『Where Were You, When I Needed You』をカバーしたもの。ぼくはGRAPEVINEが大好きなのだけど、このカバーは知らなかったし、撃ち抜かれた。センス良過ぎる。リズム隊ではなく、エピフォンのカジノから放たれるグルーヴ、フリーキーなキーボード、ワウを効かせたファンキーなギター、ぼくがロックに求めるモノがグッと凝縮されてる気がする。逆に言えば、このカバーがかっこいいと思ってる時点で、ぼくはやっぱり土臭いロックが好きなんだなぁと再認識した。

よく、GRAPEVINEの事を語る時に、UKギターロックの影響が色濃いと書かれる事があるけれども、そういう風に書いてる人は信用しなくていい、GRAPEVINEの根底に流れるのは、ストーンズフェイセズであり、土着的な泥臭いロックであって、『スロウ』や『光について』なんかはあくまでポップソングだと思う(それでも充分トリッキーだけど)、やっぱり彼らの魅力が存分に発揮されるのは『パブロフドッグとハムスター』や『南行き』のような楽曲で、それを証明してしまったようなカバーが『Where Were You, When I Needed You』なんだろうなぁ。

なんて言うんですか、それこそホントに土臭いというか、泥臭いというか、やっぱり行き着くのはスワンプロックなんですねぇ。ぼくにとってサザンロックもウエストコーストもポップに感じてしまうんですよ、もちろん好きなんですが、やっぱり濃いのを求めてしまって、でも、黒人寄りになるとその濃さが尋常じゃなくなるというか、スワンプロックが丁度いい具合なんですねぇ。

豚骨ラーメンに例えると分かりやすくなると思うんですが、それこそなんでんかんでんが黒人のソウルミュージックだとすると、ぼくの中でスワンプロックってのは、もうちょっとだけ臭みがとれた感じで、埼玉にめろでぃとか、楓神とかありますけど、ああいう感じなんですよ。んでサザンロックとかウエストコーストは一風堂かなぁ、もうちょっと音楽的にはクセありますけどね。

『Where Were You, When I Needed You』はスワンプロックから南部の音楽にハマって、サザンロックを知って、レーナードスキナードとか、ドゥービーブラザーズとかアルクーパーとかを知って、そこから知った楽曲で、もちろん超が付くほどの名曲ですが、このGRAPEVINEのカバーは原曲を明らかに越えてますよね、ギターをメインにした事やスピードを上げた事も原曲越えの要因だと思われます。

この間、ハードロックとメタル好きな職場の人からガンズとモトリークルーの代表作と呼ばれるヤツを借りて、今日、それをiTunesに入れてなんとなく聞いてたのだけれど、やっぱりぼくには向いてない、どうも、あのダウンピッキングな感じが、、、ぼくはやっぱりロックを聴く時に重要視してるのはグルーヴなんだなぁと改めて思った。

ぼくは80年代のロックは最高にダサいと思ってるんで(だから『レスラー』でミッキーロークが言う「グランジは最低だ」というセリフは理解出来ない。もちろん、あれはあくまで自分が輝いていた時代を象徴したセリフなわけだけども)、いくらリバーブが取れようとも、やっぱりかっこいいと思えない。

そういう意味でも土臭い、いや、それよりも、もっと泥臭い音楽を根底に置く、GRAPEVINEを応援したいし、これからも、きっと泥臭い濃いロックを聴き続けるんだろうなぁと思わされた一曲になりました。あういぇ。

つーか、ホントはこの暑い夏に聴きたい曲として、ドゥービーブラザーズの『Long Train Runnin'』を紹介しようと思ったんだけど、サザンロックを調べてる内に、この動画に辿り着いたのでありました。