のり塩事件について雑記

覚せい剤を使用していた夫が逮捕された。ショックのあまり酒井法子は長男を連れて失踪する。山梨県で携帯が途切れたのを最後に完全に行方が分からなくなり、所属事務所の社長は警察に捜索願いを出した。

すぐに長男が都内で保護された。酒井法子の行方は依然として分からない。世間は彼女に同情した、自称プロサーファーを名乗る夫のせいで、清純派のアイドルだった彼女が悲しみにくれ、泣き崩れて失踪までしてしまった。

もしかすると彼女は、死に場所を探しに行ったのかもしれない。樹海に行ったのか、それとも入水自殺か………

のりピー失踪と聞いて、みんなが思い描いた筋書きはこんな感じだったのではないだろうか。

のりピーの夫が逮捕された時、お塩先生の変死体のせいで、かなり報道は小さかった。お塩先生インパクトがとにかくデカ過ぎてのりピーの夫逮捕はおまけみたいな扱いだった。

ところが、昨日放送された「アッコにおまかせ」では、お塩先生の変死体事件を押しのけて、のりピーの話題がトップになった。なんとのりピーに逮捕状が出たというではないか、てっきり水死体かなんかで発見されると思っていたが、事件は彼女の出頭で幕切れになった。

無事に晴れてキャンプに行けたのだけれど、海でビールを飲み、まったりしながらも、妹が携帯でニュース速報を見る度に、この話題で持ち切りになった。お塩先生の事件もすさまじいのだが、のりピーのそれの方が遥かに破壊力があった。

何しろ出て来たガジェットがこちらの想像を小気味よく裏切ってくれた。出て来る速報が驚くものばかりで、妹が携帯を見て読み上げる度にみんな「えー」と声をあげた。どんどん明らかになったを思い出しただけでもこんな感じだ↓


・夫だけでなく酒井法子にも逮捕状
・失踪かと思われたが、これで逃亡になった
酒井法子覚せい剤を使用していた事がDNA鑑定で分かる
・弟が暴力団
・その弟も覚せい剤所持で逮捕
・子供を預けていたのが、なんと夫の愛人
・下半身に覚せい剤の小袋
・愛人に養育費として50万円預ける


ただ、やっぱり冷静に考えるとお塩先生の方が変死体+おクスリで破壊力ある気がする。ところが、お塩先生の事件のその後はトピックスには出て来ない。矢田亜希子と離婚しても、大したニュースには感じなかった。

つまり、お塩先生の場合、確かに全員驚いただろうけど、全裸女性の変死体が出ようが、不倫してようが、ヤクをやってようが、みんな心のどっかで「まぁ、腐れドチンピラだし、こいつならやりかねないかも」的な事を思っていたんじゃないだろうか。ハリウッドスターの大スキャンダルを彷彿とさせる、芸能界を揺るがす大事件なのにもかかわらず、お塩先生の事件は、お塩先生の人柄を表してるというか、批判されるのを覚悟で言うと、それが無茶苦茶似合っていた。実際ぼくも「さすがお塩先生」と思ったくらいだ。

ところが、のりピーの場合、「え!?あの、のりピーが!!嘘信じられない!!」という感情がまず先に来たんじゃないだろうか?特にぼくみたいにアイドルの頃を知らない、『碧いうさぎ』や『ひとつ屋根の下』のイメージだけ持ってる人は、余計にそう感じただろう。ぼくもマジで驚いた。お塩先生よりも衝撃はでかかった。清純派と思われた女優に「失踪」とか「愛人」とか「覚せい剤」とか「暴力団」というガジェットが出て来るなんて、まるで深町秋生の『果てしなき渇き』を地で行く話じゃないか!つまり、ぼくの中で酒井法子に感じた驚きというのは『果てしなき渇き』の娘さんに感じた驚きと一緒だったのだ。

それにしてものりピーに対して世間が思ってたイメージというのはすごかったんだなと改めて思い知らされた。そしてお塩先生に対してのイメージもある意味ですごかったんだと再認識した。のりピーに関しては逮捕された警察署に抗議の電話がいってるくらいだから、未だに信じられない人も多いんだろう。

のり塩事件で得た教訓:麻薬はやってはいけない。そして麻薬でオーバードーズを引き起こした人が隣に居たら、すぐに救急車を呼ぶ事。

あういぇ。

果てしなき渇き (宝島社文庫)

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