タイトルはともかく『バス男』と『26世紀青年』が素晴らしい!

22日:バイト休み。古泉さんからおすすめされてた『バス男』と『26世紀青年』をレンタル。あとコミックを読んだんで『フロム・ヘル』もレンタルした。実は全部観てなかったっす。

とりあえず『バス男』と『26世紀青年』に関して、さんざんいろんな人が言ったと思うが、ぼくも一言だけ――――

その邦題付けたヤツ。末代まで呪われろ!

てなわけで『バス男ナポレオン・ダイナマイト』鑑賞。

もし『ナポレオン・ダイナマイト』を先に見ていたならば、去年公開された『JUNO/ジュノ』をぼくは「女版『ナポレオン・ダイナマイト』」と呼んでいただろう。演出がどうとか、内容がどうとか、あーだこーだ言う前に、愛すべき主人公がいて、その主人公が右往左往するだけで、映画としてサムズアップ!!という作品があるが、ボンクラ学生の生活を緩いテンポで描いただけの『ナポレオン・ダイナマイト』もその愛すべき主人公のおかげで比類無い傑作に仕上がっていた。人によっては「中学の時イケてないグループに属していた芸人」を見ておもしろいと感じるのと似ているかもしれない。

説明が一切無いまま家族構成からキャラの性格、ポジションが一発で分かるのもいいし、映画的なストーリー展開が無いところに逆にカタルシスを感じ、ヒロインから友人、家族までこれしかないだろ!というキャスティングもすこぶる良く、全員演技してるんだけど、「そういうヤツ田舎に居そう」という映画的リアリズムも素晴らしい。何よりも主人公を見ているだけでまったく飽きないし、特にクライマックスの盛り上がりは、他のどの映画にもない感動を呼ぶ。まさかジャミロクワイの『Canned Heat』であんなに泣けるとは!

個人的にエロチャットをしてる兄が大変身を遂げるところと、ステーキをぶん投げるところがツボだった。

続けざまに『26世紀青年イディオクラシー』鑑賞。

1年間の冷凍睡眠の実験台に選ばれたごく普通の男と売春婦、責任者が逮捕されてしまったことで二人は忘れ去られ、目覚めたのはなんと500年後の地球だった。

子供が考えたような話だが、他と違うのは、500年後のアメリカ人はバカになっていたという設定だ(もしかしたら、そういうSFがあるのかもしれないが、SFオンチのため、不明)。

ぼくが思うに、人間とは、人からバカにされることを極端に嫌う生き物だと思う。そして、他人がバカである事を確認出来るとすごく安心する。だから『ヘキサゴン』や『Qさま』のような番組が流行るんだと思うが、このように知性に対して、ほとんどの人が感じることを『イディオクラシー』は見事に映画に昇華した。

何よりも天才が一人も出て来ないというところが一番良い。天才というか、秀才、まぁ勉強出来るヤツというのは、基本的に実生活でも映画の中でもポジションはイヤミなヤツで、いくら友達でもそういう部分で妙なやっかみをもったりする。『グッド・ウィル・ハンティング』とかも好きなんだけど、いくらトラウマがあろうが、他人に心を開けないだろうが、「お前、なんだかんだ言ってもイケメンだし、彼女居るし、頭良いんだからいいじゃん!」と、ぼくみたいな学の無い人間はどうしてもツッコミたくなるんだが、天才を出さなかったことで、そういう部分のツッコミどころを解消したのも素晴らしい。

ディストピア映像と500年後の地球人の描き方が『WALL・E』と似ていたのだが、「このままだと地球はこんな感じになる」という予想図がほとんど一緒なんだろうか。

バス男』や『26世紀青年』というタイトルだけではさすがに手に取る人も少ないだろうが、映画は両方とも傑作なので、ぼく的には大プッシュしたい。そして数々のバカ映画がもっともっと公開されることを切に願うばかりである。あと邦題はもっと考えて付けてくれ。『現金に手を出すな』の流れで『現金に体を張れ』とか、ヒットした作品にあやかった邦題は非常に困る。それでも『現金に体を張れ』という邦題はめちゃくちゃかっこいいけど、あういぇ。

ブルーレイになってたのかよ!