バブル期の日本で最も嫌われたマンガ
とてつもなく寒いと思ったら寒波が来てるらしく、0度や1度を行ったり来たりしてる状況。こーゆーときに見事に仕事は休みなので家から出たくなかったわけだが、節約生活を心がけてるので、部屋の暖房は入れまいと朝からCSで放送されたPerfumeのアリーナライブを観つつ、石油ストーブがついてるリビングにいた。午後になってから、マンガを読んで過ごそうと思い、仕方なしに猛吹雪の中、久しぶりにブックオフをハシゴした。
外は吹雪のせいで数メートル先も見えない状況、シヴァのダイヤモンドダストばりだった。雪国とはいえ、さすがに怖かった。そんな中なんとかブックオフに行き、『デトロイト・メタル・シティ』の6巻と『プルートウ』の3〜6巻を100円で購入。これで『DMC』も『プルートウ』も6巻まで100円で揃えてやったぜ!
後は『宮本から君へ』の分厚いヤツ1、2巻と『キーチ!!』の4〜6巻までを購入。
ひいひい言いながら帰って『宮本から君へ』を読んだのだけれど…いやぁ、これは読んでて辛くなりますよ。ホントに新井英樹という人は大きな何かに立ち向かって行く男という物語が好きなんだと思った。『ザ・ワールド・イズ・マイン』の記事を書いた時に「バブル期の日本で最も嫌われたマンガ」ってコメントを書いてくれた人がいたけど、だからこそ、今の時代にマッチしているのかもしれない。
『宮本から君へ』は営業マンを主人公にしたマンガなのだが、『サラリーマン金太郎』のように荒唐無稽でスカッとするわけでもなく、『課長島耕作』のようにかっちょ良く仕事をこなすわけでもない。『宮本から君へ』の主人公は何の取り柄もないし、笑うことすらまともに出来ない営業マンで、気が短ければ、ケンカっぱやく、ヘンに純粋なせいで自分の信念が会社にとって不利益な方に働くこともしばしばだ。そもそも主人公は会社のために死のうと考えてるような男でもない。なのにもかかわらずうっとうしいくらい熱い男で、真逆ではあるが、見ててイライラするという点で碇シンジのようなキャラクターである。言えば、『宮本から君へ』はスタイリッシュとはほど遠い、地べたを這いずり回って、踏みつけられながらも、仕事を取る様が描かれていく。
『宮本から君へ』は何が辛いかというと、フランク・ダラボンの映画に出て来るような、ぶっ殺してやりたくなる悪意の塊みたいなキャラクターがわんさか出て来て、それが主人公を徹底的に叩きつぶしにかかる。それが次から次と出て来るので、読んでてげんなりしてしまうのだ。もちろんこれは完全に作者にやられてるわけなのだが、怖いのが、2巻はかなりハッピーな展開で終わるので、ここから先はまた異常な試練が待ち受けてるようで、先が思いやられるのである。もちろん半分は良い意味で…
ロマンチックな恋愛を描いたと思ったら、その後に執拗なセックスシーンが出て来るなど、こちらの期待をことごとく裏切っていく展開もおもしろい。まだ全部読んでないのでなんとも言えないが、とっとと続きを買おうと思う。あういぇ。
- 作者: 新井英樹
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2009/01/17
- メディア: 単行本
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