やっぱり全員悪人『ダーク・スティール』
『ダーク・スティール』鑑賞。エルロイ原作。
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92年に起きたロス暴動にインスパイアされただけあって、本物の映像を使うなど、かなりの本格派。年を重ねて渋さが増したカート・ラッセルが完全なハマり役で魅せる。クライマックスの暴動シーンは映画史に残ると言っても過言ではない迫力で、女優の選び方も役にそってるのがよく分かる。人を殺すシーンも後味が悪いようにあっさりと肉が崩れ落ちるように描写する。全てがスタイリッシュとは無縁の骨太な屋台の味。まさに通を唸らせる。
ただ、主人公が悪徳警官で、違反はもみ消し、暴力は日常茶飯事、酒を浴びるほど飲み、愛した女はアバズレ、上司の言うことは絶対で、上司を守るためなら殺人もいとわないなど、これ――――『ホワイト・ジャズ』と一緒!!冒頭、射殺した犯人のことを上司に聞かれるシーンからスタートするのだが、利口そうなイケメン刑事の言ってる事が明らかなウソというところも非常にらしい。
登場人物はやっぱり悪党ばかりで、一番正義感に満ちたヴィング・ライムスの役でさえ、不倫をしている始末で、しかもその不倫の相手ってのが、主人公の相棒の愛した女で…と、やっぱり「世の中欺瞞に満ちてやがるぜ!」という思想に満ちていた。
それにしても、ホントにアメリカの警官ってこんなヤツらばかりなのだろうか、ぶっちゃけ、それがまた絵になるというか、似合ってる感じも怖い……
監督はなんと『さよならゲーム』や『ティン・カップ』のロン・シェルトン。それにも驚く。え!?こんな作品も撮れるの?ってくらい漢なアクション映画。個人的には『フレンチ・コネクション』とか『突破口!』に通じるものもあると思う。日本未公開というナメたことになってるので、是非観て欲しい。あういぇ。
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