テレビを見ていて、すごく気になる人物がいる。

最近テレビをまったく見なくなった。テレビを見るくらいなら、AVの一本でも借りてきた方が楽しいし、健全ってな具合である(最近借りてきたのは『僕とは釣り合わないほど可愛かったあの元カノともう一度セックスがしたい!!』というヤツ。なんか設定が妙に好きで、後半にぐっとヤラセっぽくなるのが残念だが、前半はフェイクドキュメンタリーとして無茶苦茶リアルでハラハラする)。

そんなテレビを見てないぼくだけども、最近すごく楽しみにしている番組がある。番組というよりも、ある人物がとても気になっている。巷ではかなりの人気者なので、ご存知の方も多いと思うが、その人物とは『シルシルミシル』という番組のAD堀くんだ。

まったく知らない状態で、なにげなく観たんだけど、その時からなーんか気になってしまって、毎回楽しみにしている。だからと言って、毎週録画してまで観ようという気にはならない。特別爆笑するわけでもないし、ホントにたいしたことないんだけど、つい見てしまう。酒を飲んでる時間帯ということもあいまって、ほのぼのした雰囲気が合ってるのかもしれない。

知らない人はググっていただければいいのだが、ぼくがいいなぁと思ったのは、グルメレポートとして好きだということである。別に上手じゃないし、毎回見てても進歩がまったくない。言ってしまえば「めざカルチャー」のねーちゃんの方が遥かに上手なのだが、あの朴訥な人柄に魅せられてしまったということなのだろう。堀くんのしゃべりを見ていると、歌は上手さではなく味で勝負すると言った岡林信康のことばを思い出してしまう。

表情もまったく変えずにガツガツと目の前に出された物を喰らい、一切トーンも変えずに淡々と何処がうまいのかをしゃべった後で「とってもおいしいです」と締める。やれ「まいうー」だの「宝石箱」だの、グルメリポートと言えば仰々しさみたいなものがスタンダードだと思ってたぼくにとってこれは新鮮だった。時間帯が深夜ということもポイントだ。実際、『シルシルミシル』を録画したとしても、朝には絶対に見たくない。

このまったり感はどことなく「吉田類の酒場放浪記」を彷彿とさせる。コメント力やリアクションではなく、人柄でもってグルメリポートを成立させるというのも共通している。おもしろさにピークがなく、ずっと一定のラインをキープし続けるような演出も似ている。

それにしても、この堀くん、異常とも言える人気だ。ぼく自身、元々『ゲームセンターCX』のADなど、テレビ慣れしてない人をテレビで見るのは好きだったのだが、ここまで人気者になるとは本人も番組の制作者も予想してなかったことだろう。

確かに今テレビを付けても、やれインテリ芸能人だの、やれスイーツだの、やれ美容グッズだの、どこをつけても似たようなことしかしていない。出てるのは、はんにゃを始めとしたクソつまんねー芸人とジャニーズとモデル出身のアバズレだけ(そういやぁ、最近グラビアアイドルが出てないように思うんだが、なんか揉めたのか?)、笑いどころですよーという凝った字幕やきらびやかなセットなど、言ってしまえばどの店もどの時間帯も濃厚なとんこつラーメンしか出してない。そんな中で彼は一服の清涼剤だったのかもしれない。

シルシルミシル』のせいで「相棒」のテーマ曲やMr. Bigの『TO BE WITH YOU』まで気になり、さらに堀くんが出ない週は残念とまで思ってしまう始末。なんでそこまで気になるのかはぼく自身も不明なのだが、昨日は新潟で『シルシルミシル番外編』が昼に放送されてたので、思わず録画してしまった。酒でも飲みながらまったりと見ようと思う、あういぇ。



おまけ

綾香って全然興味ないし、テクニックをひけらかしてる雰囲気が好きになれなかったのだけれど、この『TO BE WITH YOU』のカバーはいい。こういう歌い方を世の女性シンガーはすべきだと思う。