「でも、やるんだよ!」という『ハート・ロッカー』魂

注意!お食事中の人は絶対に読まないでください!!――――って、飯喰いながらネットしてる人はそんなに居ないか。

ハート・ロッカー』鑑賞。

昨日の夜中の出来事である。

仕事が終わって、さーて帰ろうかというとき、最終チェックで、後輩が「トイレでやばいもん発見しちゃったんですよね」とぼくに言ってきた。

「ちょっと、オレ絶対に見れないんで、行って見てきてください。マジ無理。」

薄暗い照明がイヤな雰囲気を醸し出す長い廊下をゆっくりと歩く、恐る恐る男子トイレを覗いてみると、奥にある小便器が目に入った。何故かというとその一つだけが、茶色い汚物に塗れていたからだ。

最初は大便をぶちまけたのかと思ったが、充満した饐えた匂いが吐瀉物であることを認識させた。どうしたらこんな量をこんな勢いで出せるんだろうとある意味で関心してしまうくらい、便器をコーティングするようにまんべんなくかけられていた。

別に明日になれば、清掃業者の人がキレイにしてくれるはずである。むしろ、仕事も終わりの時間なのに、なんで、こんなことをしなければならないんだということも思わなくはない。

――――それでも、結局、その時残っていた4人で、饐えた匂いに顔をしかめながら、「でも、やるんだよ」の精神で掃除することにした。デッキブラシを持った先輩と、腕をまくってスクイジーを構えるマネージャー、そして、もらいゲロをしてしまうかもしれないという理由で少し離れてぐったりしてる後輩が見守る中、ぼくはビニール製の手袋をはめ、恐る恐る汚物で詰まった小便器に手を突っ込んだのだった――――


見て見ぬ振りが出来たり、別に今やらなくてもいいという状況とは別にして、男というのは「でも、やるんだよ」という気持ちで立ち上がらなければいけない時がある。


ハート・ロッカー』はそんな男の物語である。




もう、語り尽くされてるので、後は、この方たちのレビューを読んじゃってくれい!って、「でも、やるんだよ」の精神に反してるなぁ、オレ。

戦闘民族サイヤ人「ハート・ロッカー」 - いずむうびい

おれは戦争が大好きだ!:『ハート・ロッカー』 - 冒険野郎マクガイヤー@はてな

【追記】
それでも、ぼくのレビューが読みたいと言ってくれた方がおりましたので、軽く追記させていただきます。

とりあえず、ぼくが『ハート・ロッカー』観て思ったのは、ドキュメンタリータッチなのに、絵の切り取り方がうまいということ。爆破するシーンとか、ワイヤー引っ張ったらたくさん爆弾が付いて来たとか、ポスターにもなってるくらい、構図がやたらかっこよい。

あと、戦場は麻薬だって言う通り、全編にわたって爆弾解体の緊張感と高揚感がみなぎるんですが、子供を救えなかったことで、自分の能力に限界を感じはじめますよね。

んで、自分が家族の元に帰った時に、こっちの生活は耐えられないという感情と、帰りたくないけど、やっぱりオレの居場所は戦場しかないだろって、悩むところをシリアルのシーンで表現したのが素晴らしいと思いました。

実際、この家族の元に帰って来た時は、安息というよりも、刺激がまったくないという描き方で観てる方もあれだけ緊張の連続だったのに、ここで、一気に展開が緩和しますが、若干退屈に感じてしまうんですよ、これは主人公が感じてることと同じで、もう戻るしかないだろ!って思わせてくれるんですよねぇ。

ハッキリ言って傑作だと思います。ぼくはもう一回観たいくらい好きでした。