『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』とロブ・ゾンビの『ハロウィン』をレンタルして鑑賞。
ロメロのゾンビ映画は大好きだし、ロブ・ゾンビの映画もハズレなしなので、観ようと思ってたのだが、あまりいい評判を聞かずスルーしていた。というか、そもそも『ダイアリー〜』は新潟で公開せず、『ハロウィン』も2週間限定かなんかの公開で気がついたら終わっていたのである。なんてことだ。
もちろんレンタルはとっくに開始してたんだけど、これがなかなかの回転率で、いつも借りに行くと数本のDVDがレンタル中。なので、落ち着いてから借りようと思って今に至る。
んで、観たんだけど、これが両方ともホントにおもしろかった!
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出て来る役者は全員無名でさらにデジタルビデオを使って手持ちで撮ってるということで自主映画のノリがあるが、これが、すごく切迫感があってよかった。ゾンビ映画をドキュメンタリー風に撮るというよりも、世界がゆっくりゆっくり終わっていく様を学生が撮り続けたという印象がある。
ドキュメンタリー監督志望の学生がカメラをまわしているという設定がかなり効いてて、わざわざ劇中で編集してるシーンを入れたりするなど、「なんで、ここまでドキュメンタリー作品として完成しているの?」という謎は全部説明している。しかも音楽が使われてて、それも「恐怖心をあおるために音楽を入れてみた」というナレーションが入って説明するという徹底ぶり。
一番の問題点は「今起きてる現実を撮るんだ!」という使命感に駆られ過ぎて、友達が襲われてもギリギリまでビデオを回し続けるという部分。友達に「早くカメラ置いて助けに来てよ!」って言ってもそれでもカメラを置かない。
実はこれって、ニュースで暴動が起きてる映像とか見てるけど、あの感じだ。いつも違和感なく見てるけど、冷静に考えるとすぐそこで人が襲われてるのに、カメラで撮り続けてるっなら助けりゃいいじゃん!っていうことを思わせる。
実際、ロメロが描きたかったのはそういうことだろう、しかもそのテーマを全部ナレーションで説明して、かなり説教臭さ増してる。それでも、ちゃんとウルトラハードゴアな描写満載で、さらに映画もライトな感覚でおもしろかった。
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近年のホラー映画に対する風当たりの強さなんかかんけーねーよ!と言わんばかりに、血がブシュブシュ出て、おっぱいを振り乱しながらギャーギャー騒ぐ女の子がたくさん出てきて、セックスもあって、さらにシェリ・ムーン・ゾンビのポールダンスも見れて最高におなかいっぱい。正月に親戚一同で集まった時に、寿司だの唐揚げだのピザだの出されて、もうこれ以上喰えないっすよっていうくらいのサービスっぷり。ぼくが映画に求める要素はほとんど入っていた。
オリジナルに忠実な場面もあるが、それはあくまでオマケとしてファンをにんまりさせる程度で、後半のジェットコースターはオリジナルを凌駕するくらいの迫力だが、それよりもぼくが気に入ったのは前半15分の描写。ブギーマンと呼ばれるようになるマイケルの少年時代を丹念に描き出すわけだが、このシーンがとにかく執拗に怖いのである。
冒頭でマイケル一家がビッチだのファックだの言いまくってるところなんかは完全に『デビルズ・リジェクト』でニヤリとさせられるのだが、そこから少年が内なる狂気を次第に出し始めるあたりから映画はトーンが急速に変わっていく。
殺人を犯すところはカメラは寄ったりするものの、全体的に俯瞰して撮ってるきらいがあって、これが怖い。言ってみりゃ、少年の目線から殺人シーンを撮ったオリジナルとは真逆の演出で、彼のこれからを予感させるようになっているのだ。
というか、ロブ・ゾンビは恐らくマイケル少年にものすごく興味があったに違いない。悲しきモンスターがどのように生まれて行ったのかというところもキッチリ描いて2時間以内に仕上げたことはもっと評価されるべきだと思う。
『デビルズ・リジェクト』に感動して、オリジナルの『ハロウィン』が好きな方だったら絶対におすすめ!
ちなみに、こないだニュースでロメロの新作が公開されるということを知った。こんなにパソコンの前にいるのにどんだけ情報を遮断しているというのだ。ロブ・ゾンビの『ハロウィン』も続編が作られてアメリカではヒットしてるらしい。ぶっちゃけ、レンタルのホラーのコーナーは充実してるし、いっつもレンタル中なので、新潟県人ってホラー映画好きなのかもよ。だから両方共絶対に新潟でやってくれ、っていうかやれ、あういぇ。