『タイタンの戦い』鑑賞。
『300』が公開された時、「うおー『三国無双』が実写化した!」と思ったが、『スピード・レーサー』が『マッハGOGOGO』の名を借りた『マリオカート』だったり、内容だけじゃなくてカメラアングルまできっちり再現した『サイレントヒル』しかり、ゲームをプレイしてる感じというのを映画で再現したいという人が増えて来てる気がする。ウォシャウスキー兄弟が『マトリックス』を撮るときに『メタルギアソリッド』のカメラワークを参考にしたとかしなかったとかいう噂があるが、この『タイタンの戦い』もかなりゲーム臭が漂っている作品だった。これは『GOEMON』みたいなゲームっぽいとはわけが違って、もちろん良い意味でである。
106分という潔過ぎる上映時間の中で繰り広げられるのは、人と神の混血児ペルセウスの大冒険。敵を倒すためのヒント集めや伝説の武器の登場、妙な魔術やダンジョンなど、あちらこちらでRPGしちゃってる感が満載。もともとRPG自体もギリシャ神話とは密接な関係にあるので、そう言った意味ではこのプロットや物語の運び方は必然――――と書いたが、これリメイクなんだった。
一時のシュワちゃんを彷彿とさせるサム・ワーシントンが完璧なハマり役で、レイフ・ファインズとリーアム・ニーソンのコンビもこれしかないだろ!ってくらいの風貌と存在感。まさに神々。
さて、ゲーム臭が漂うと書いたが、それはプロットうんぬんから感じたのではなくて、おもにアクションシーンでの演出だ。
『タイタンの戦い』には大きく分けて3つのバトルシーンがあるが、これがそれぞれとてもゲーム的な演出になっているのだ。
特に最初の巨大サソリとの戦いは圧巻。登場するところから徹底した人目線で、戦う時も地を這うようなカメラワークを中心に彼らの周りをグルグルと回る。
これが実に『モンスターハンター』とか『FFX』を彷彿とさせるのである。
特に『モンハン』はキャラクターを操作するのとは別に、視点を別な3Dスティックで変えながらプレイするので、モンスターの方向を常に見据えなければならない。この人目線とモンスターから目を離さない視点が『タイタンの戦い』では見事に再現される。あと常にカメラがキャラクターを中心にグルグル回るとか。
最初の戦闘からこんなにすごいのに、もう2つのシーンも大スペクタクルで、『ゼルダの伝説/時のオカリナ』になったり、最後は『FF』シリーズを彷彿とさせる大大大バトルなので、それは是非スクリーンで体感していただきたい。
監督はルイ・レテリエ。『聖闘士星矢』の大ファンであることを公言しているらしいが*1、恐らくゲームも大好きなんじゃないかと思う。というか、誰か聞いてください。あういぇ。
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