分からんか…愛だよ!愛!『ソルト』

『ソルト』を朝の9時45分から観て来たのだが、これは夜にビール飲みながら観たらかなり盛り上がるね!かなり幅広い層が観ていて、改めてアンジーの人気を実感した。

とあるジャンルの視点を変えただけで、こうも映画というのは別な転がりを見せるのか!という一例のような作品。

タイトルが主人公の名前で、さらにそれがアンジェリーナ・ジョリーというだけである種の枠が形成されるんだけど、その枠を逆手に取りながら、アンジェリーナ・ジョリーであることの意味を組み込むというおもしろい体裁をとっている。

しかもそれだけじゃなくて、こちらに考える隙をまったく与えてくれない展開の早さも良い。細かいつじつま合わせなど、どうでもいい!とばかりに次から次へと様々な仕掛けがやってくる、ジェットコースターのようなアクション映画でもある。

CIA本部からの脱出や、そこからの逃亡、さらに厳重な警備がされてる教会への侵入/脱出、そしてさらに爆破/銃撃、そしてトドメのミッションなど見せ場がかなり多いのは魅力的。まぁ、とにかく二時間まったく止まらない。アンジーはひたすら走って走って走って走り続ける!飛んで跳んで飛んで跳びまくる!撃って!撃って!撃って!撃ちまくる!そして男を殴って!殴って!殴って!殴りまくる!――――のである。

ぼくは映画を観る際、ストーリーに対してあまり趣をおいていない。圧倒される映像が続けばそれだけで満足してしまう。魅力的なスターが居て、その人の一挙一動がスクリーンに大写しになれば、それだけで画が持つと思っていて、チャップリンがパントマイムをする、キートンが命がけのスタントをする、ジーン・ケリーがタップを踊る、ブルース・リーが蹴りをお見舞いする――――映画というのはそれだけでも充分すぎるほどの輝きを放つという風に考えている。

そこへ行くと、この『ソルト』はアンジーのアンジーによるアンジーのためのアクション映画だと思ってもらって差し支えない。下着姿で拷問されるところとか、パンティーを脱ぐとか、本人が自分に求められてるものを完璧に理解しているところがホントに素晴らしい。ただそれしか無い映画とも言える。

最終的に行きつくところが“愛”というのにはずっこけてしまったが、各キャラクターのセリフや設定、行動などが、細かい伏線になってるのも楽しい上質の娯楽作。とにかく男をぶっ飛ばすアンジーを観たい方は必見だ。というか、そういう人の方が多い気もするのだが……あういぇ。

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