パリよりロワイヤルチーズをこめて

パリより愛をこめて』をBDで鑑賞。

パリのアメリカ大使館員に勤める主人公が持つもうひとつの顔はCIAの見習い捜査官。なんと彼は007よろしくの諜報活動に従事していたのだ。そのわりに人を撃つことも出来ない性格の彼の元に真逆の性格であるワックスという相棒が現れる。強引な推理と腕力でもって次々と麻薬組織を壊滅に追い込んで行くワックスに付いて行く主人公。ところが彼らは麻薬組織の現場にて、とある写真を見つけてしまう………

正直、冒頭からスタイルバツグンの美女と付き合う主人公ということで、そのリア充っぷりに腹が立ったのだが、それも伏線だったということで、完全に作り手のいいようにやられてしまった。

かなり酷評されている感じがするが、個人的にはあの主役コンビを見続けたいという意味で続編を希望するくらいの快作。始まってから最後までノンストップということもさることながら、気の利いたセリフ回しなど、随所に映画ファンをくすぐる仕掛けが満載で、ひゃっはー!な風貌のジョン・トラボルタも『ソード・フィッシュ』以来ノリノリで観てるこちらまで楽しくなる。

いわゆるひとつの中身のない、ポップコーンムービーであるが、そのわりに会話シーンが非情に楽しく。「このカエル喰いのファック野郎が!」とか「今のショウブラのようなファッキンな動きを見ただろ?」とか「ワックスオン!ワックスオフ!って『ベストキッド』かよ!」などの絶妙な会話がおもしろい。それこそがセンスないんだよ!なんという意見もあるようだが、個人的にはタランティーノシンドロームに犯されることを承知しながら、それを脱却してるようにも思えた。タランティーノこれみよがしな感じだったが(もちろんそれがかっこいい)、こっちはより自然に言ってるように感じたのだ。ただ、トラボルタにロワイヤルチーズと言わせるのはどうかと思ったんだけど。

なんと言ってもこの映画の魅力はジョナサン・リース・マイヤーズジョン・トラボルタのコンビ、これに尽きると思う。性格も行動も正反対なのに絶妙にぶつかりあうことはなく、むしろ一目会ったその日からオレたちはスーパーコンビだぜ!というホモソーシャル感が見てて心地良い。見た目も性格も正反対な二人がノリだけでもって友情を築いていく姿に素直に感動した。

正直、見終わったあとは「ん?これなんかおかしくね?」ということも思わなくはないが、観客を飽きさせないために見せ場を散りばめるために無理矢理展開を作ったと思うとどうも憎めない。

というわけで、どうもガタガタなわりに嫌いになれない『パリより愛をこめて』は是非続編を作ってほしい一本と相成りました。ビール飲みながらゲラゲラ笑ってみることをおすすめ。あういぇ。

パリより愛をこめて Blu-ray & DVDセット(初回限定生産)

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