大傑作!なのに日本公開は未定!『レイジング・フェニックス』
『Raging Phoenix(レイジング・フェニックス)』をUK盤ブルーレイにて鑑賞。
大傑作!
『チョコレート・ファイター』で世の中の男子を文字通りノックアウトしてしまったジージャーたん主演のタイ映画。2009年の作品だが日本での公開が決まっていなかったのでUK盤ブルーレイを購入した。ハッキリ言って買ってよかった。ホントに素晴らしかった。
タイ語で喋ってて、英語字幕で見たのだけれど、なんとストーリーの8割は分かってしまうくらいしっかりとした映像言語を持っている。なぜストーリーが分かるかと言うとやっぱりどこか変わったいびつな形の物語だからだ。制作は『チョコレート・ファイター』のピンゲーオ監督でメガホンをとったのがその編集をしたラチェーン・リムタラクン。
ひょんなきっかけでタイ式酔拳を習う事になったジージャーがそれを教えてくれた仲間と、悪いことしてる組織を壊滅させるために立ち上がるというのがおおまかなあらすじ。なぜ悪いことしてると書いたかというと、組織ぐるみで若い女性をさらっているのだが、そのさらってる理由がとんでもないからで、これにぼくはトム・ティグヴァの『パフューム』を思い出してしまった。それくらい狂ってるストーリーテリングであった。しかも無意味にドンデン返しがあるのもさすがタイ映画である。なにがさすがなのかはよく分からないが。
『チョコレート・ファイター』はブルース・リー愛が全面に出ていたが、今回オマージュを捧げられるのはずばりジャッキーの『酔拳』。ところがジージャー主演の映画なのでただの酔拳ではなく、カポエイラのテイストとテコンドーのテイストが合体したスペシャリティなもの。しかもそれを使ったアクションシーンが矢継ぎ早にやってきて息も付かせない。さらに今回は主人公の他に三人の達人も居るので、総じて見せ場は長め、ワンシークエンスの中でも各キャラクターの視点が変わって視覚的に飽きさせない。
『酔拳』のオマージュと書いたが、映画は後半に『燃えよドラゴン』になり、さらに主人公たちが住む家のようなものは『ブレード/刀』であって、さらにそれを彷彿とさせるような様式美が今回はプラスされた。アクション映画だが、いきなり『パニック・ルーム』みたいなとんでもカメラワークが飛び出したかと思えば、クライマックスは『ワンチャイ』のはしごバトルに並ぶとてつもないシーンが待ち構えている。映画はこれで終わっただろうと思われたが、さらにそのあとフルコンタクトの超絶バトルシーンがあるなど、限界の表現とアクションのつるべ打ちにとにかく参った。編集担当が監督してることもあってか、アクションのテンポとリズムも素晴らしく、ワンテイクの長さが絶妙だ。ここぞというときのスローモーションもいい。
これだけの大傑作なのにもかかわらず日本での公開が決まってないって、そんなにタイ映画って日本で当たらなかったか??とにかく今後もジージャーから目が離せない!今すぐに公開しろ!全力で支持したい!あういぇ。
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ラストのファイトシーン。観ていただければこの映画のすごさが分かるはず。
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