ぼくがよく行くラーメン屋さんで昔食堂なおじというお店がある。
とんこつに極太の麺、山にして盛られた野菜にニンニク――――いわゆるひとつの“二郎インスパイア系*1”だが、初めて喰ったときに衝撃を覚え、そこから最低でも月に2回は喰いに行っている。
このなおじろうは、その名前からして、新潟市内でハッキリと二郎インスパイア系を打ち出した先駆け的な存在なのだが、最近新潟にもこの二郎インスパイア系のお店やメニューが増えて来た。
全国的に知られているかどうかは分からないが、新潟はラーメン王国である。ゴールデンタイムで一時間新潟の店を特集する特番が定期的にあったり、雑誌でも新潟のラーメン店だけを紹介するものが多々あったりする。
今までも新潟ではWスープのブームが来たり、横浜家系のブームが来たり、魚粉系のブームが来たりとある程度の流れはあったのだが、ここにきてやってきたのは、この二郎インスパイア系のブームだ。新潟では“ガテン系”や“爆食ワイルド系”や“がっつり系”など表記されるが、ここでは便宜上、二郎インスパイア系と呼ばせていただく。
ぼくはいわゆるフォロワーからラーメン二郎を食したクチなので、それこそアジカンからWeezerやイースタンユースを聴くみたいな感覚でジロリアンになったわけなんだけど、最近数件食べて、記事に出来そうになったので、今回はそれを紹介させていただこうと思う。
昔食堂なおじ なおじろう／680円
ぼくがローテーションの軸にしているお店で、バイト先の後輩でもハマっている野郎共が数人。麺の大盛りは無料。小麦の値段が上がるとかなんとかあった時期くらいから、あきらかに麺と野菜の量が少なくなっており、ぼくが食べはじめた当初は並盛りにしてもやっとのことで食べてたんだけど、今は麺を大盛りにしてもスープを軽々飲み干せるくらいで少し残念。言ってしまえばそのころくらいから味もガラッと変わり、かなりマイルドになって食べやすく、油も前より少なくなり、女性客も多くなった。
ぼくのいとこは生粋のジロリアンなのだけれど、彼に言わせると、「二郎とはまるで別物」であり、いわゆる本当のジロリアンに言わせれば「こんなの二郎じゃねぇよ！」という感じなのだろうが、まぁビートルズが『リボルバー』を作ったように、二郎からなおじろうへと完全な別物としての進化を遂げたのである。
いろいろメニューやトッピングがあり、いろんな組み合わせを試したのだけれど、コストパフォーマンス的になおじろう大盛り以外は頼まなくてもいいかもしれない。
ちなみに、なおじろうの他にも油そばなるものがあり、ぼくの後輩はこの油そばをメインに食している。こちらは汁のないなおじろうという感じで、麺の量は1.5倍。お値段は720円と少し上がる。
万人屋 G麺／680円
花びらのようにチャーシューが乗り、背油がどっぷりかかったラーメンを売りにしているお店の二郎インスパイア系。かなりなおじろうに近く、しいて相違点をあげるならば、麺がうどんのようにツルツルであることと、刻んだニンニクが乗っていること(なおじろうはスープにニンニクが溶かし込んである)くらいか。かなりおいしかったが、大盛りがプラス100円のため、これであればなおじろうを食べたほうが良いと思われる。
のろし ラーメン／600円
こちらのお店は食券の色から形、そしてラーメンそのものまで、完全な二郎インスパイア系。バームクーヘンのようなチャーシューが3枚、山盛りの野菜、良い意味で小麦をかじってるようなガシガシした麺、そして白濁してないとんこつ100%のスープと何処を切っても二郎。総重量は1キロ近くなるが、これで600円はかなり安い。ニンニクは各テーブルにあって入れ放題。個人的にはみそらーめんがおすすめ。ただ、何故かみそラーメンになると700円になる。唯一の欠点は遠いところ。市内から行くと、車で片道40分以上かかってしまう。
東横 横じろう／890円
こちらは6月1日から15日までの期間限定メニュー。潔く二郎の名前を使ってるところに好感が持てる。値段は紹介したなかでもトップクラスだが、それもそのはずで、クソでかいチャーシューが3枚と角煮がひとつ、山盛りの野菜に煮たまごがひとつという特大のボリューム。見た目と名前は二郎系ながら、味はかんなりあっさりでそこが評価の別れ目かなと。背油と薄めたとんこつの二郎という感じ。女性にも食べやすいのかな。男の人はきっと満足しないでしょう。ただ、量はハンパじゃないけども。
というわけで、今回は期間限定を含む4つを紹介させてもらった。というか、他にも二郎インスパイア系はたくさんあるのだが、いかんせん市内から車で片道一時間半という異常な遠さなので、さすがに食指が伸びないのであった。土地柄とか、そういうのあるのかな？あういぇ。
あと写真はgoogleの画像検索から引っ張って来たヤツです。すいません。
