超今更ながらアジカンの“迷子犬と雨のビート”を聴いたんですよ。
というのも“新世紀のラブソング”くらいからちょっと見限ってたところもあって、すごく好きな曲ではあるんですけど、そのレディオヘッド的な変化はまだ早いなというか、レディオヘッドだって『ベンズ』から『キッドA』の間に『OKコンピューター』があったわけで、ストレイテナーもそういうきらいがありましたけど『OKコンピューター』がないのに『キッドA』的なアプローチはちょっと急すぎるなぁ、せめてシングルで切らずにアルバムでやるかカップリングでしてくれよという風に勝手に思ってたんですよ。
んで、こないだ『僕らの音楽』に出た時に演奏した新曲の“マーチングバンド”を聴いたら、ローコードにアルペジオとスピッツの“青い車”みたいなポップな曲で、なんだよパワーコードとオクターブじゃなくてもアジカンらしさは出せるんじゃないかと感動しましてね。ああ、やっぱりアジカンいいなぁ、ちゃんと聴いてなかったヤツ聴かなきゃなと、まず“迷子犬と雨のビート”を聴いたんですよ。そうしたらまたこれがドンピシャで、なんで無意味にスルーしてたんだろうと後悔しました。ものすごくポップだし、キャッチーだし、ロックバンドとして良い進化を遂げてるじゃないかと素直に思いましたね。
それと“迷子犬と雨のビート”がツボに入った理由はもうひとつあって、これオアシスの“Round Are Way”の換骨奪胎なんですよ。
ぼくはこのオアシスの“Round Are Way”がとにかく大好きで、B面集の『マスタープラン』になんでこれを入れなかったんだ!と憤りを覚えたくらいなんですが、この曲、カラオケに入ってないわ、あげくの果てにオアシス好きな人に聞いても知らないわで、なかなか歯がゆい思いをしていました、これを元ネタに使ってる時点でメンバーのこの曲に対する愛情がすごく伝わって来て好感が持てましたね。言い逃れ出来ないほど似てますから。
じゃあこの“Round Are Way”がなんで好きかというと、もっと前にさかのぼるんですが、そもそも“Round Are Way”自体がビートルズの“Got To Get You Into My Life”の換骨奪胎なんですね。
“Round Are Way”を初めて耳にしたのは『普通じゃない』という映画のエンディングなんですが、これを聴いた時にオアシスが現代のビートルズと評される理由が分かりました。このやり方はすごく良いし、原曲よりもパワーポップ感があって、オアシスらしさも詰め込まれてると感動しましたね。
“迷子犬と雨のビート”がリリースされたのは2010年の5月です。ビートルズの『リボルバー』が発売されたのが66年ですから、なんと44年もの時を経て、ビートルズが現代の日本のロックバンドの新曲として鳴り響いてるわけですよ。オアシスを経由しているとはいえ、これはとんでもないことだと思います。
というわけで“迷子犬と雨のビート”が好きだという方は是非この二曲も聴いてみてください。いやぁ音楽って、ロックミュージックっておもしろいもんですねぇ。あういぇ。

- アーティスト: ASIAN KUNG-FU GENERATION,アジアン・カンフー・ジェネレーション
- 出版社/メーカー: KRE
- 発売日: 2010/06/23
- メディア: CD
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