90年代のJ-POPいいとこ取り『夏の大三角形』

- アーティスト: NICO Touches the Walls
- 出版社/メーカー: KRE
- 発売日: 2012/05/16
- メディア: CD
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それにしても、このコピペしないとまともに表記できないような名前はやめたほうがいいんじゃないのか?9mm Parabellum Bulletしかり。ただ9mm Parabellum Bulletの場合は9mmというふうに略せるが、NICO Touches the Wallsの場合はなんて略せばいいんだ?NICOでいいのか?でも、それだと、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドを思い出しちゃうじゃないか。
と、関係ない話はこれくらいにして。
カルピスのCMソングということで、もうすでに耳にしてらっしゃる人も多いと思うが、パッと聞いたときにスピッツとサザンをかけあわせたような曲だなと素直に思った。それでウィキペディアを見てみたら、スピッツとサザンに影響を受けたと書いてあり、そういうのはちゃんとアーティストの血となり肉となっているんだなと改めて思ったしだいだ。
そもそも、スピッツとサザンの表立ったフォロワーというのはそんなにいない。それでおもしろいところから引っ張ってくるなぁと、なんとなく引っかかって、CDをレンタルして聴いたんだけど、これがホントに素晴らしい楽曲で、売れてはいるんだろうけど、意外と過小評価されてるんじゃないかと思い、こうして記事にしたしだいである。
なにがすごいってこの曲。90年代のJ-POPの総決算のような楽曲なのだ。マキタスポーツが以前、ヒット曲の法則を分析し、そこから「十年目のプロポーズ」をいう曲を制作し、発売したが、まさにあれのひねたポップ版とも言える。
『希望の轍』や『青い車』を彷彿とさせる隙間があるアレンジに、U2を思わせるギターサウンドは反町隆史の「Forever」と同じ方法論で、それがこの曲の爽やかさを際立たせている。さらには山下達郎を思わせるボーカリゼーションに「夏の大三角形」という「天体観測」以来のあまりロックっぽくないタイトルと歌詞。そしてビーイング系のポップ感と何かに似てるようで、似てないという不思議な曲だ。個人的には『希望の轍』や『RIDE ON TIME』と同じカテゴリーに入るくらい気に入ってしまった。16ビートをあれだけ細かくするというのもシュガーベイブっぽいし、あのあたりの音楽が好きならば間違いないと思う。
それこそZARDが歌っても違和感ないような、ビーイングっぽい感じなのに、そうならないのはメロディがそこまで明確に突き抜けてないからで、ミスチルの桜井がレミオロメンの曲を評して「普通こうくるだろってところでメロディが明確に突き抜けてくれないんですよ、良い意味で」みたいなことを言ってたが、それがこの曲にも当てはまる。
ぶっちゃけNICO Touches the Wallsはガリレオガリレイとかフランプールみたいに若いねーちゃんにキャーキャー言われてるバンドのひとつとして捉えていたので、個人的にどーでもいいと思って聴いてなかったのだが、これからチェックしたいと思う。