AKBの新曲『ギンガムチェック』のPVの監督の映画を観た

『トルク』をレンタルDVDで鑑賞。

リメイク版の『トータル・リコール』を観た直後に『ブレードランナー』が観たくなり、そのいきおいでメイキングなんかも観てたら、ジョセフ・カーンという監督さんが『ブレードランナー』の魅力について語っていた。そのときに『トルク』の監督という風に紹介されていたのだが、またこれ、たまたま『アベンジャーズ』を観ようとしていたので、その『トルク』というタイトルが『ハルク』とかぶっていて、頭のかたすみに残っていたんだと思う。

そんなこんなしてたら、その『トルク』の監督であるジョセフ・カーン氏がなんの因果かAKBの新曲である『ギンガムチェック』のPVの監督をするというのを知り、これはもう絶対に映画を観ておかないとなと思って借りてきた。ちなみにジョセフ・カーン氏は世界的に有名なPV監督である(PVは観たことがない)。

――――という複雑かつ、奇妙な巡り合わせで鑑賞したのだけれど、これがものすんごくおもしろくてちょっとビックリしてしまった。

正直言って、ちゃんと観てたのにストーリーのことがよく分かってない。もっといえば、世界観のこともまったく分かっていない。

が、しかし、なんとなく分かったのはこれはバイク版の『トラック野郎』だということだ。それに『ストリート・オブ・ファイヤー』と『AKIRA』と『チャーリーズ・エンジェル』と『バニシング・ポイント』が合体した感じである。まさにプログラム・ピクチャーとしてかかっていた映画のような世界観の極みといえるだろう。

はじまって早々、車二台とバイクがチェイスし、ガソリンスタンドで止まったと思ったら、いきなり大ゲンカをしはじめ、かつての主人公たちの仲間が登場。そこから再びバイクによるチェイスがはじまり、タイトルが出て、クレジット………ここまででわずか6分……

なんて潔い映画なんだ!

そして、そのあとはバドワイザーのビンを片手にねーちゃんに声をかけまくり、そのケツプリプリのねーちゃんを絡めたケンカが続いていく。その合間はバイクのチェイスで埋め、またねーちぇんのケツ、ケンカ、バイク……

もちろんそれだけじゃなく『トラック野郎』に負けず劣らずの荒唐無稽さが飛び出し、観てて、あまりの突飛なアイデアに空いた口が塞がらないほど。書くと魅力が半減するため伏せるが、最後の最後は『AKIRA』のバイクチェイスを実写でやってしまうという大盤振る舞い。

カット割の早さもさることながら、この作品はどのカットでもカメラがつねに動いているため、まったくダレない。ダレるかなと思った瞬間に胸の谷間がガッツリ見える服を着たねーちゃんが間を持たせ、あっという間にラストになる。

というわけで、なんとなしに観たのだが、これが思わぬ拾いもので、ものすごく興奮した。『ギンガムチェック』のPVも楽しみになったのだが、こないだチラッと放送されたものを観る限り、その出来に不安が……

だって、曲のイメージとかガン無視して、とてつもない世界観が構築されてるんだもん……

もはやギンガムチェックの柄も着ていない!!

まぁ、樋口監督のヤツよりはまだマシかなぁ……*1

トルク [DVD]

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*1:自身、ツイッターで「誰得だよ」と言っていた