これ以上映画に何を望む?『エクスペンダブルズ2』

エクスペンダブルズ2』鑑賞。

大傑作!

アクションてんこ盛り、バイオレンスてんこ盛り、なおかつかつての大スターと現役バリバリのアクションスターてんこ盛りという、アホみたいに過剰なサービスが嬉しかった前作をさらに凝縮したようなとてつもない作品だった。個人的には『ワイルド・バンチ』のクライマックスを1時間40分に拡大したような、そんな印象すら受けた。

確かに「ん?」というところはかなり増えている。スケジュールの都合なのか、消えては現れ、現れては消えていくよく分からないキャラクターたち。そもそも最初の作戦からして意味がよく分からず、悪役側もなんでそんなところにいたのか?なんで都合良く妙なタイミングで出てくるのか?ホントにさっぱりわからない。各キャラクターの関係性も匂わす程度であり、なんでチャック・ノリスがあんなところにいて、なんであんなことをしたのかとか、とにかくわからない。まぁ、そういった欠点は前作から見えていたことではあるが、そのへんは今作でもまったく変わっていない。

しかし、この作品の多幸感はどうだろうか。

子供の頃にテレビで放映した『コマンドー』や『プレデター』、『ランボー』、『ダイ・ハード』をテープに録画し、それを繰り返し飽きるまで観ていたぼくのような人にとって、この作品は一分、一秒すべてがごちそう以外の何者でもない。ありとあらゆるアクション映画のすべてをいっきに凝縮し、なおかつそれぞれのスターに見せ場を均等に振り分けるという脚本もさることながら、復讐という日本人好みの展開はその他の欠点を軽く吹き飛ばすほど魅力的。そしてクライマックスではスタローンとブルース・ウィルスシュワちゃんが一緒になってヴァンダムに立ち向かうという、にわかには信じがたい映像が………

なんなんだ!この映画は!すごい!すごすぎる!!

ブツ切れでブレまくりのアクションがメインで、そこで好みが分かれた前作であったが、監督をサイモン・ウェストにバトンタッチしたことで、いっきにスマートになった。ジェット・リーのカンフーもしっかり長いカットで見せきるなど、そこのストレスはいっきに解消されたように思う。しかも前作がどのような映画だったのか?というのもしっかりわかっているので、血や肉片が大量に飛び散り、つねに何かが爆破し、何かが破壊されるなど、続編の強みを活かし、いろんなところがパワーアップしていていうことない。

確かにあれ?このキャストこれしか見せ場ないの?と思ってしまうところもあったが、逆にいえば、それぞれひとりひとりがランタイムのなかで目立っているということでもある。とにかく最高!最高の一言しかない。前作がダメだった人にも自信をもっておすすめ!今年は『アベンジャーズ』と『エクスペンダブルズ2』が観れただけでホントによかった。ありがとうスタローン!