YMO的なアレンジと歌詞が合致した最高傑作/きゃりーぱみゅぱみゅ『インベーダーインベーダー』

きゃりーぱみゅぱみゅの『インベーダーインベーダー』という曲がすばらしい。

ちょっと益若つばさにも似た、へんちくりんな名前を名乗るこのモデルを意識したのは、ご多分に漏れず“ポンポンうぇいうぇい”いってる曲だったわけだが、実際世間が注目してるほどぼくのアンテナには引っかかることなく、一応レンタルしてiTunesにはぶち込んだものの、そこまで回数を聴いていたわけではなかった。別に中田ヤスタカが嫌いというわけでもないし、むしろ彼のDJイベントにいったくらい好きで、Perfumecapsuleもmegも人並みに聴いているが、どうも狙いすぎてる感が鼻についたからだと今になって思う。

ただ、その狙いすぎている感――――「つけまつける」みたいなそういうのがありながらも、それに対してイヤミを感じさせないのはポップアイコンとして最大の魅力ではあるなとは思っていた。「なんか狙ってるなぁ」というのはぼくが勝手に感じてることであって、これだけ注目されてるにはそれ相当の理由があり、ヒットしているのはそういうことなんじゃないかと解釈した。

そこから「ファッションモンスター」という「リニアモーターガール」から派生したようなキラーチューンで一気にぼくの心を鷲掴みにし「キミに100パーセント」 「にんじゃりばんばん」を経ての「インベーダーインベーダー」である。

いやぁ、この曲。そもそも歌詞がすごい――――インベーダーだけでも「え!?」という感じだが、そのインベーダー側からの視点/目線で歌詞が書かれているのも実にユニーク。

歌詞がすごいと今さら書いたが、よく考えたら歌詞に関しては今までもすごかった。しかし今回は前作と一緒でひとつのコンセプトが明確にあり、世界的に注目されてることもあって、海外の人に知ってもらいたい日本のカルチャーをそのまま体現しているようにも思えた*1Perfumeの最近の曲もことばがどんどんシンプルになってきているが、今回もかなり分かりやすいワードを意識的につかっている。

PVから何からインベーダーゲームをモチーフにしているわけだが、これがビンゴ。一度Perfumeの「NIGHT FLIGHT」で挑戦した、YMOサウンドにかなり寄せており、そのコンセプトとあいまって、実に違和感ない世界観をつくりあげている。どの曲とはハッキリいえないが、個人的に連想したのは「Absolute Ego Dance」やビートルズのカバー「Day Tripper」あたりで、きゃりーぱみゅぱみゅのシングル曲ではトータル性も含め最高傑作といいたい。

先ほど書いた狙いすぎてた感というのは、歌詞の感じにキャラクターやアレンジ、PVなどが追いついてなかったということなのだろう。しかし、その飛び道具も今や昔。これからアルバムが出るらしいのだが、非常に楽しみに/心待ちにしている次第だ。

*1:クールジャパンってヤツ?よーわからんけど