くりごはんが嫌いな男が選ぶアニメ映画ベストテン

毎年恒例の………って一年経つの早くね?マジかよ………SF映画選んだのも、ホラー映画選んだのも、もっといえばスポーツ映画選んだのもついこないだじゃん………今年はアニメ映画。アニメ映画ってのがいいね。

アニメ映画ベストテン - 男の魂に火をつけろ!


1.BLOOD THE LAST VAMPIRE(00年 北久保弘之)

2.マインド・ゲーム(04年 湯浅政明)

3.イノセンス(04年 押井守)

4.スチームボーイ(04年 大友克洋)

5.メトロポリス(01年 りんたろう)

6.人狼(01年 沖浦啓之)

7.妖獣都市(87年 川尻善昭)

8.空飛ぶゆうれい船(69年 池田宏)

9.ジャイアント・ピーチ(96年 ヘンリー・セリック)

10.ファンタジア(40年 ベン・シャープスティーン)


ホントはもっと名作みたいなヤツを入れるべきなんだろうけど、吉田豪がおすすめCDを選ぶというインタビューでこんなことを言ってまして。

「名盤を選んでください」的なオファーがよくあるんだけど、そういう場合、後から辿って聴いたモノは選びたくないというか。なんか嘘ついてるような気がして。邦楽でいえば、はっぴいえんどとかジャックスとか入れると嘘になる気がする、みたいな(笑)。「おまえ、リアルタイムで聴いてないのに、なんかカッコ付けてるだろ!」って。だから、中高校生のとき聴いてた当時のバンドだけ持ってきた。


そのラインナップが意外というか「おおっ!」と思うようなものだったので、それに憧れて選んでみた。単純にぼくが「アニメ映画が好きだった頃にスクリーンで観て、そのあとに高い金出してDVDを買い、何度も繰り返し観てた」ものが中心。基本的にこの手のランキングではいろんなジャンルのいろんな年代の作品を選ぶようにしてるが、あえて偏らせたところもある。


1.から4.はスクリーンで観ているが、特に1.はアニメに何を求めているのか?を再認識したようなところもあった。ジャパニメーションということばが流行り、その数年後にそれを体現する形で大量に海外を意識したアニメが作られた気がするが、そのなかでも1.は大人の鑑賞に耐えうるアニメをちゃんと劇場でお金を払って観たという気がして思い入れが強く、いまだに繰り返し観る。いまでは違和感なく3Dとセルアニメの融合がなされているが、当時は3Dの場所は3D。セルはセルといった形でまだ画面設計や動きに歪さがあった。その歪さが独自の世界観を形成し、作品の味になっているのも特徴で、それが『青の6号』よりも露骨じゃないのが良い。セーラー服を着たねーちゃんが日本刀を持って吸血鬼をバッサバッサとなぎ倒すというハイコンセプトだけで突っ走ってるのもまさに「クールジャパン」を象徴するようで、間違いなく『キル・ビル』や『エンジェル・ウォーズ』に影響を与えた早すぎた傑作。


2.はゼロ年代ベストにも入れた。ピクサージブリなどアニメ作品は制作会社で往々に語られがちだが、それでいうならSTUDIO 4℃の革新性はもっと評価しなければならないだろう。特に『マインド・ゲーム』は実験精神に溢れながらもアニメのおもしろさも追及している。単純に「絵」が動いてることのすごさでいえば現段階での極北。


3.と4.に関しては『攻殻機動隊』や『AKIRA』を入れる人が多いと思ったので、あえてこちらで。いやいや奇を衒ってるわけではない。ホントに劇場で観たときは心底感動したものだ。大友克洋の作品では『大砲の街』が一番好きなのだが、それはまた別の話で……


5.と6.は逆にスクリーンで観ておらず、あとでDVDで観て非常に後悔した作品。特に『メトロポリス』は通常盤を買って、あまりの出来の良さにそれを売って、限定BOXを買い直したほどだった。もっと評価されていいと思う。正当に評価してるのがロジャー・エバートというのも不思議な話である。


7.は『妖獣都市』を入れたかったんだけど、OVA作品ということでこちらに。もちろん大好きである。『子連れ狼』に川尻テイストを加えた大傑作。『ヴァンパイアーハンターD』も好きよ。※実は最初は『獣兵衛忍風帖』をここに入れてたのだが、Twitterで劇場公開扱いで大丈夫ですよ!と教えていただいた。


8.は石森章太郎特集で知って、そのあとにDVDを購入した。秘宝読者としては町山智浩のオールタイムベストとして有名かもしれない。『クローバーフィールド』や『エヴァンゲリオン』への影響も大。


9.はヘンリー・セリックのなかで一番好きだから。あまり知ってる人がいないなー。こちらもCGとの融合が完璧ではなく、その歪さが作品の味になってるパターン。『ナイトメア〜』よりも断然こっち。というかヘンリー・セリックの作品としての評価はこちらでしょう。『ナイトメア〜』はティム・バートン監督だって思ってる人も多いし。


10.は王道中の王道だけど、アニメってこういうことだよなという作品だと思うから。


【総括】
結局『カリオストロ』や『パト2』『攻殻』『オトナ帝国』などランキング上位に食い込んでくるであろう作品は選ばれず。ぶっちゃけ『クレしん』の例の二作はおもしろかったけれどもそこまで思い入れもなく、宮崎駿も嫌いな作品の方が多いので、このような形になった。暗黒皇帝(@ANKOKU_KOUTEI)から「お前はあいかわらずセンスねぇな!」とお叱りをうけそうではあるが、それも覚悟で選んだのであった。いわゆる「永遠の二推し」的なランキングであります。