『ミュータント・タートルズ』をBDで鑑賞。
見事に直撃世代であり、アニメも実写版も子供のころに繰り返し観て、ゲームも数本プレイしており、かなり思い入れは強い。それは妹もおなじらしく、しっかり映画館で観て、BDも購入していたので、ご相伴にあずかることができた。
予告編を見た段階では「トランスフォーマーの感じでタートルズを実写化してる!」という印象があり「マイケル・ベイが制作してるからなのかな」と安直にむすびつけてしまったが、メイキングでプロデューサーが「『トランスフォーマー』の感じで」と発言していて思わずズッコケた。
スタッフたちは「タートルズを実写化しよう」というよりも「これまでにない映像表現を!」というほうに力が入ってたらしく、アクションシーンのプレビズ*1だけで数年かかっており、そこに本物志向で有名なマイケル・ベイの魂が注入され、CGに見える飛んだり跳ねたりの動きは基本的にスタントマンがマジで演じている。
その甲斐あってか、アクションに関しては特筆に値するほどすごい。ホントにすごい。すごいとしか言い様がないくらいすごい。こんなの観たことない!と素直に感動し、もっといえばあまりのかっこよさと、ここまで進化したタートルズの活躍に涙が出たくらいである。常人離れした力の持ち主なので、その強さのインフレみたいなものを映像で乗り越えてやろうという気概に満ち溢れていて、ある程度の想像は遥かに超えてくる。これはホントに何度目かの映像革命のひとつと言ってもいいだろうと思った。特に後半40分はノンストップで映画が進んでいき、アクション!アクション!アクション!の連打で息もつかせない。
しかし、アクションは確かにすごく、アドレナリンも出まくるのだが、ストーリーに関してはヒドい。なんでこんなことになるんだというくらいヒドイ。まず元々のアニメからかなり改変されているのだが、これがいくらなんでも偶然すぎやないかいという感じだし、敵の組織とかずさんすぎて空いた口がふさがらない(アジトに車一台で行って、しかも門はカンタンにぶちやぶれるとか)。劇中「タートルズでミュータントでニンジャでティーンエイジ……」と言葉をなくすシーンがあるが、まさにそもそものコンセプトが良い意味でヒドく、言い方は悪いがガキ向けのコンテンツである。そこを楽しめるかによって評価分かれるだろう。そのくせ街中で暴れ回るとその周辺にいるひとたちはどうなるのか?をリアルに描いたりディテールがよくわからん。あとそこまでタートルズっぽくないのもどうかと……ピザもいうほど食わないし……
と、良いところと悪いところがハッキリ分かれているため、奥歯にものがはさまった言い方しかできないが、一本のエンターテインメントとしてはおすすめ。1時間40分で終わるのもナイス。ラストにザ・タートルズの「Happy Together」をニンジャ・タートルズに歌わせるという小ネタがあり、さわやかな余韻を残す。しかし、そのあとのラップで台なしになるが。
【追記】
そういえば吹替版で観たんだけど、ベッキーとカンニング竹山に気づかなかった。すごくうまかったと思う。
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*1:CGで制作した絵コンテのようなもの