最近、GLAYではなく、THE PREDATORSとしてのJIROが気になって仕方がない。

2018年、二年半ぶりにTHE PREDATORSが再始動されるというニュースが飛び込んできた。

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改めて書くことでもないだろうが、GLAY好きでもその存在を知らない人が意外といるので説明するとTHE PREDATORSthe pillows山中さわおGLAYのJIRO、ELLEGARDENの高橋宏貴によるスリーピースロックバンド。ストレイテナーナカヤマシンペイが在籍したこともある、いわゆるスーパーグループの括りである。

スーパーグループ故、本人たちは息抜きというか、遊びでやってる意識が強く、あくまでも本体のバンドありきで活動。そのペースはだいたい二年から三年に一度。毎回7曲入りのミニアルバムを発売して、フェスとツアーに出るという流れだったが、今回は4曲入りのシングルをライブ会場と通販限定で発売。以前「アルバム出さなくても、シングル切ってそれで夏フェスとか出たい」とラジオで山中さわおが言っていたが、曲が揃ってきたこともあってか、それが実現したことになった。とはいえ、ボーナストラックも含むと全9曲という大盤振る舞いでDVD付き。さすがにこれはとわざわざGLAYの通販サイトに登録して予約をした。

ぼくはこのTHE PREDATORSがすごく好きで、毎回新譜が出るたびにダウンロードかCDで購入、もしくは知らないうちに出てることを知り、慌ててレンタルするなど、何かしらの方法でチェックしている。さらに最近になってようやくライブDVDとBDを買い揃えたこともあって、毎日THE PREDATORS漬けだった。ツイートもそのことばっかりだったが、そんなタイミングでの再始動ということで来年が待ち遠しい。

さて、そんな毎日観聴きしているTHE PREDATORSで特に最近気になってるのはJIROの存在だ。

ぼく自身、GLAYのファンというわけではなく、音楽好きとして、なんとなく耳にしてる程度で、CDもバカ売れしたあの青いベスト盤しか持ってない。なのでJIROという人もGLAYでベースを弾いているやつくらいしか認識しておらず、THE PREDATORSも最初はthe pillows山中さわおが別にバンドを組むというという感覚で聴いていて、その相手がGLAYのJIROだということに驚いたくらいだった。ところが、業界では「あのJIROがソロで動く」という認識が強かったらしく、やってる本人たちはもっとこじんまりした感じでやりたかったらしい……ということは公式サイトのインタビューに詳しい。まぁ20万人集められるくらいのモンスターバンドの一員だ。そういう風にはなるだろう。

なんでTHE PREDATORSを結成してからJIROが気になったのか。それはソングライターしての彼の実力にある。

まずTHE PREDATORSを最初に聴いて一番驚いたことは、JIROが作曲してた曲がいくつかあったということ。山中さわおが全曲書いてると思い込んでたので、これにはかなりの衝撃を受けた。元々ニルヴァーナが好きで、ニルヴァーナコピーバンドからスタートしただけに「Tourette's」をポップにしたような「爆音ドロップ」や「Breed」と「Stay Away」を融合したような「Recall Me」など、ファンとしてニヤリとする曲が多く、それは山中さわおの趣味だと思っていた。ところが、ヴェセリンズのカバーである「Son Of A Gun」を彷彿とさせる「Dizzy Life」や「Smells Like Teen Spirit」の静から動へいくアレンジをより強調させ「Stay Away」に持ち込んだような「Sleepy Dragon」を聴くと「これ、ホントにGLAYのJIROが作ったの?」と誰もが思うこと必至。あまりにGLAYの音楽性と解離しすぎているために、むしろなんで彼はGLAYにいるのだろうと思ってしまう。

恐らくJIROはアーティストというよりも職業的な作曲家としての側面が強いのかもしれない。「こういうメロディが作りたい、こういう歌詞を書きたい」ではなく、THE PREDATORSのコンセプトを聞いた段階でこういう曲が合うだろうという感じで、それに合わせて曲を作るのではないだろうか。

そんなJIROがTHE PREDATORS内においてソングライターとしての才能を発揮しはじめるのが二作目の『牙をみせろ』。このアルバムに収録される「SHOOT THE MOON」によりTHE PREDATORSオルタナティブからラモーンズのようなロックンロールよりのパンクに大きく舵をきることになる。

これは山中さわおにとっても嬉しい誤算だったことは想像に難くない。元々JIROの作曲の手癖がコードの少ないロックンロールだということもあり、これがTHE PREDATORSにピッタリとあった。実際GLAYで作曲を手がけた「SHUTTER SPEEDSのテーマ」を聴くと「Dizzy Life」に似てる部分があり、THE PREDATORSでやってもおかしくない感じで、『牙をみせろ』のときのインタビューでも「今回オレ(さわお)が書いた曲そんなに好きじゃなくて、JIROくんの曲がものすごく好き」みたいなニュアンスで答えてたことを覚えている。このアルバム以降、「THIS WORLD」や「BRAIN CALLY」、「WILD TIGER」、「Monster in my head」と、JIROが作曲する曲はライブのセットリストの中心になっていく。

そして5作目のアルバム『ROCK'N' ROLL PANDEMIC』において、JIROは作曲者として大活躍。7曲中、なんと5曲もJIROが作曲しており、しかもそのどれもが「山中さわおが作曲しそうな感じ」になっている。恐らくこのアルバムを聴いて山中さわおが作曲したのはどれだ?とクイズを出しても当たらないのではないだろうか。

今回、2018年再始動のシングルのタイトルチューンもJIROが手がけるということで、これまた非常に楽しみ。しかもカップリングはドラムの高橋宏貴作曲で、山中さわおの曲はすでにツアーで披露している曲を音源化するに留まる。それほどまでに他のメンバーの楽曲が良くなっているということなのだろう。

JIROはGLAYの陰のリーダーとも言われているが、この流れからいってもそれはわかる気がする。GLAYにおいてメインのソングライターはTAKUROだが、バンドを俯瞰して見れるのがJIROということなのかもしれない。

アイドルに関してぼくは楽曲重視であり、曲がよくないとそのアイドルのことを好きになることはないが、ことJIROに関してもそれが当てはまる。彼が作る楽曲があまりに良いため、そこからJIRO単体が気になり、最近はTHE PREDATORSのJIROを見たいがためにライブBDを見てしまい、それだといっぱい映らないから特典のMC集を中心に見て、さらにはそれを通り越して、GLAYのライブDVDまで見てしまうしまつ。ただ、GLAYはメンバーも多いし、客も多いしで、やっぱりJIROだけを堪能するならTHE PREDATORSのライブかな……ああ、早く新曲聴きたいな……というか、来年のツアーのBD早く出ないかな……