アフタースクール

10時に『アフタースクール』鑑賞。

ストーリーについて一切言及が出来ないが、久しぶりに圧倒的な才気を感じる映画に出会った。

はじめて大谷健太郎監督の『avec mon mari』や、矢口史靖監督の『アドレナリンドライブ』を観たときの衝撃が蘇った。

まだまだ日本にもオリジナリティ溢れる映画作れる人いるんじゃん!

タランティーノガイ・リッチーの「もどき」が量産されてるなか、はじめて同じ場面を繰り返し描くことの必然性を感じ、時間がいったりきたりするのにもイヤミが一切ない。恐ろしいほどに計算され、恐ろしいほどに巧みであり、恐ろしいほど気持ちよくダマされる。

特にこの作品が他と一線を画しているのはミスリードのうまさだ。

小説ではいっさい表現できない、いわゆる映画である必然性がある脚本であり、冒頭から実はその仕掛けが発動していることが、見終わったあとに分かるというニクい設定であり、二度、三度楽しめるように出来ているのも特徴。

大泉洋はそのキャラクターを活かした役作りで、堺雅人佐々木蔵之介も完璧で、美人であることが必然の常盤貴子も納得のキャスティング。エンディングテーマまで決まりに決まっている。

しかし、今の日本でこういう映画が作られること自体が難しいだろうし、嬉しい。たしかにここまでドンデン返しにこだわると重箱のスミを突いてくる輩がいるだろうが、ぼくは断固としてこの映画を支持する。

しいて難点をあげればヤクザがまったく怖くなく、画面上にいいひとしか出てこないということくらいだろうか。それにイラっとくる人もいるだろうなぁ……

まぁ、ぼくはすごく好きです。おすすめです。あういぇ。