禁欲をして真実の愛を見つけだせ!「ザ・ジレンマ: もうガマンできない?!」

新潟もいよいよコロナ禍による自粛ムードが高まり、パチンコ店はもちろんのこと呑み屋もそこそこ閉まりだしたので、友達の家でNetflixを開き話題の番組「ザ・ジレンマ: もうガマンできない?!」を酒飲みながら観た。しかも一度寝て復活し、深夜から朝方にかけて全部。
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番組を一言で説明すると“ヤリマンヤリチンだらけのテラスハウス”といったところでIQはかなり低め。

ある島に集められた世界各国のヤリ目的10人が1ヶ月同じリゾートホテルのような場所で共同生活しただけで賞金10万ドルというルールが最初に提示され。「こんな美味しい企画があるかい?」と大盛り上がりでイチャイチャしはじめるが、思ったのもつかの間。盛り上がったその夜、真の目的が番組から発表。それが「これから1ヶ月間禁欲生活」であり、キスはおろか、セックスは当然御法度。自慰行為も厳罰対象にあたる。誰かがそれを破る度に賞金が減っていくというシステムで果たして10人は禁欲して10万ドルゲットできるのか?というのが主な内容。

この辺りは宣伝でも見せていたし、もちろんそれを楽しみに観てたのだが、中盤からそのワクワク感は大きく裏切られることになる。

要するにこの企画は「セックスなしで男女は真実の愛を見つけだせるのか?」というWeezerの「Tired Of Sex」みたいな裏テーマがあり、セックス目的(見た目も含め)で集まった人たちが、どんどん悟りを開き「恋愛とはなにか?」「女性の価値とはなにか?」について深く考え、人間として成長をしはじめていくという方向に舵を切り始めるのだ。

ひとりはキリストのようになり、悟りまくった結果、逆にエロ要素が抜け落ち「ここまで悟ればオレはこの場所にいる意味はない」と去って行ったりするしまつでそのひとりひとりが達観していく様がおもしろく、最後はちょっと感動するようなところに着地。もちろん「こんなバカなことに付き合ってられない!オレはセックスをしにきたんだ!」っというヤツもいるし(というか、そういう理由で見始めた人は離脱するであろうというメタ視点もある)、アホなエロのくだりも散りばめてあるが、それすら箸休めに感じたくらい。

惜しむらくは細かいルールが決まっておらず、番組サイドもそれを伝えなかったので「え?それがありなの?」「それはちょっとないんじゃない?」と観ててノイズになる部分が多かったこと。あと番組の進行役にすさまじく権限があり、参加者の行動や人間性を否定したりするため「こういうコンプライアンスに縛られない番組が観たいのに企画自体にそんなコンプライアンスを注意する権限があるのはどうなの?」と思わせたのは結構この手のエンターテインメントとしてはマイナスかと。

とはいえ、これはかなり贅沢なクレームであり、バカとエロに関してはかなりフルスロットルで振り切ってることはマジで評価したい。そのルールをもっと整理し、参加者がシーズン1を観ている状態であれば戦い方は変わるはずで(「バチェラー」がそうであったように)逆にシーズン2が楽しみになったのは事実。故にある種“パイロット版”として割り切って観ることがおすすめ。もしこれが配信されればネトフリ入ってでも観るが……いつになるのだろうか……