2012-09-01から1ヶ月間の記事一覧

娯楽のなかに光る作家性『白雪姫と鏡の女王』

『白雪姫と鏡の女王』鑑賞。 誰もが概要くらいは知ってる「白雪姫」を超個性派監督ターセム・シンが映画化。ターセム・シンといえば、馬が輪切りになる!といった超絶インパクトがある画を次から次に生み出す映像マジシャンみたいな印象があったのだが、のち…

KOTOKOはCocco『KOTOKO』

『KOTOKO』をレンタルDVDで鑑賞。 過去に受けた暴力によって、世界がふたつに見える琴子は人の善悪や暴力性と普遍的な日常の区別がつかず、妄想の中で息子を守るために暴力的になったり、自らを傷つけたりしていた。クソみたいな現実から息子を守らなければ…

夢を売って夢を叶えろ『夢売るふたり』

『夢売るふたり』鑑賞。 小料理店を営み、夫婦としても経営者としても料理人としても順風満帆だった貫也と里子。ところが開店5周年を迎えたその日に火事で店が全焼してしまう。一気にどん底に突き落とされたふたりだったが、ふとしたことで貫也が店の常連だ…

映画で笑わせるとはこういうことだ『鍵泥棒のメソッド』

『鍵泥棒のメソッド』鑑賞。『運命じゃない人』、『アフタースクール』の内田けんじ監督最新作。 売れない役者の桜井は首つり自殺を図るも、そのずぼらな性格から、適当に部屋にあったロープを使ってしまったことで失敗。サイフをひっくりかえし、少ない残金…

POVが持つ弱点を克服した大傑作!『Chronicle(クロニクル)』

『Chronicle(クロニクル)』をUK盤BDで鑑賞。日本語字幕と日本語吹替もばっちり収録。のっけから言わせてもらうと大傑作!!ストーリーはいたってシンプル。いきなり超能力をもってしまった高校生三人組がその力を映像に記録しようと、ビデオカメラやiPhoneを…

普遍的なラブストーリー『へんげ』

『へんげ』をレンタルDVDにて鑑賞。 『へんげ』の特典映像として、公開時に同時上映された短編『大拳銃』が収録されているが、まずこれがなかなかよく出来た作品であった。借金で首が回らなくなってしまった工場長に組織の人間から「拳銃を作ってほしい」と…

枯渇しないイマジネーション『プロメテウス』

『プロメテウス』を3Dの吹替版で鑑賞。 一応ティーザーや宣伝では伏せてるみたいだけども、ハッキリいってしまうと『エイリアン』の前日譚であり、セルフリメイク作品。リドリー・スコットといえば『エイリアン』と『ブレードランナー』というエポックメイク…

よりシンプルによりポップにZAZEN BOYS『すとーりーず』

ZAZEN BOYSの『すとーりーず』を聴いた。 毎回毎回ZAZEN BOYSの音楽には驚かされるが、今回も驚かされた。しかもかなり新鮮な驚きであった。なぜかというと、とてもシンプルでポップだったからだ。「ZAZEN BOYS III」あたりからアーバンなエレクトロニック路…

超残虐な西部劇『ホーボー・ウィズ・ショットガン』

『ホーボー・ウィズ・ショットガン』をレンタルDVDで鑑賞。 タランティーノとロドリゲスによる『グラインドハウス』は商業的にイマイチだったかもしれないが、業界ウケがよかったのか、その後、この手のアクション映画が結構作られ、新潟では公開こそされな…

感情を編集でむきだしにする『監督失格』

『監督失格』をレンタルDVDで鑑賞。 当時不倫関係にあったAV女優の林由美香との自転車旅行を*1収めたAV*2を発表した平野勝之監督。なんでもかんでもおもしろいと思えるところは余すところなく撮りなさいと言われたが、肝心なシーンになると尻込みしてカメラ…

『ギンガムチェック』を90分引きのばしてみました『ブラッディ・スクール』

AKBの『ギンガムチェック』のPVを観たときになんてぶっ壊れてる世界観なんだと素直に思った。 ひとことでは説明できないが「グラインドハウス」のフェイク予告編風のPVで、楽曲のイメージは完全無視し、5分半のあいだに、ミニスカポリスのような衣装で銃撃戦…

なぜこの映画で西島秀俊は殴られ続けるのか?『CUT』

『CUT』をレンタルDVDで鑑賞。 映画監督であり、シネフィルでもある秀二は兄の真吾から資金を提供してもらって映画を撮ったり、アート系の映画を観るように拡声器で演説して警察に追われたり、さらに即席の映画館を作り、かつての巨匠たちの作品を自主上映し…