超残虐な西部劇『ホーボー・ウィズ・ショットガン』
『ホーボー・ウィズ・ショットガン』をレンタルDVDで鑑賞。
タランティーノとロドリゲスによる『グラインドハウス』は商業的にイマイチだったかもしれないが、業界ウケがよかったのか、その後、この手のアクション映画が結構作られ、新潟では公開こそされないものの、レンタル屋さんでも似たようなティーザーの作品が結構並んでたりする。そんな中『マチェーテ』に続き、正式なスピンオフ企画第二弾として作られたのが、この『ホーボー・ウィズ・ショットガン』である。
『グラインドハウス』には合計4本のフェイク予告編が入っており、『マチェーテ』もそれを膨らませて製作されたのだが、『ホーボー・ウィズ・ショットガン』はその中に入っておらず、なんでこれが正式なスピンオフ作品なんだろうと思っていた。どうやら『グラインドハウス』を製作した際、タランティーノとロドリゲスがフェイク予告編を世界中から応募したようで、それのグランプリ作品として選ばれたのが、『ホーボー・ウィズ・ショットガン』のフェイク予告編だった。
これがそのフェイク予告編バージョン。
ストーリーはいたってシンプル。悪が蔓延る町に流れついたホーボー(流れ者)が、ショットガン片手に悪を退治するというもの。
舞台は少しばかり近未来で『ストリート・オブ・ファイヤー』を思わせるが、物語の骨組み自体は西部劇であり、人の首に縄をくくりつけて車で引っ張ったり、つるし首にして殺したりとそれを強調するようなシークエンスが出てくる。町を牛耳ってる悪人が映画史上に名を残すほど悪かったり、小麦粉のようなコカインや、血を浴びて踊り狂うちゃんねーがいきなり出てくるなど、いろいろと誇張された表現が特徴的で、半分ギャグとして撮っているかのよう。
特に、数分に一回登場するという触れ込みのバイオレンス描写は強烈。R-18を勝ち取ったが、それも納得。スプラッターホラーと見紛うほどで、クオリティも高く、痛いのがダメな人には……というレベルを越えた、痛みすら感じさせない人体破壊のオンパレードには頭が下がるばかりだ。
主演はルドガー・ハウアー。『グラントリノ』のイーストウッドのような佇まいで、グラインドハウス的な世界観にビシっと風格を与えた(無駄に)。
おもしろいと思ったのは、予定調和な中にも予想外の展開が起きることである。
ストーリーは決まりきっているので、おおよその流れは分かるのだが、その中で「あ、こいつはここで死んじゃうんだな」とか「あ、こいつはこんな目にあってるけど、生き残るよな」という部分において、結構サプライズ的な展開を見せ、そういう意味でどうなるのか予想が付かなかった。例えるとすれば「回転するヘリコプターのプロペラに顔を押し付けられそうになる」というシーンがあったとしたら、普通は押し付けられる寸前で誰かが助けに来て、逆に押し付けてた人間がそのままプロペラにつっこむんだけど、この映画では助かりそうなところで結局そのまま顔面を押し付けられてしまうという感じだろうか。
というわけで『グラインドハウス』や『マチェーテ』が好きな人は必見。1時間26分というランタイムも見事。っていうか、グラインドハウス形式と銘打ってる以上はそれくらいの短さにしないとね。
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