先日、栃木のバス男こといずむくん*1が『スコット・ピルグリムVS.ザ・ワールド』のサントラを買ったとTwitterで言っていた。

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これを見ていただきたいのだが、まずド頭でかかるのはThe Ting Tingsの『Great DJ』という曲。スナナレでも使われたらしいので、ドラマを見てた方ならピンと来るだろう。これは本編では使われていない。
他にもスコット・ピルグリムが組んでるバンドの演奏曲という扱いでBe Your Own Petの『Black Hole』という曲が予告編でかかるが、実際映画の中でバンドは別なオリジナル曲を演奏している。ちなみにその楽曲を手がけたのはBECKである
コーネリアスの『Gum』も予告編で出て来るが、本編でコーネリアスは別な楽曲を制作して参加しているなど、なんのこっちゃ分からん感じで、最後にタイトルが出て来るところで印象的に使われてるのはThe Prodigyの『Invaders Must Die』という曲だが、これも実は本編で使われていない。
でもこれがエラくかっこいいんだよ!なんでエンディングやなんかでかからないんだ!
『スコット・ピルグリム』に限らず、確かに最近予告編では使われてるけど本編には一切出て来ない楽曲というのが目立つようになってきたと思う。
少し前にTwitterで話題になったのは『ソーシャル・ネットワーク』の予告編でかかる『Creep』の合唱バージョンだ。
初めてこの予告編を見たとき『Creep』というのは本当に美しい旋律を奏でているんだなぁと関心したが、なんとこんなに大々的に使われているのに本編では一切流れないのである。
ただいま絶賛公開中の『ウォール街』の続編、『ウォール・ストリート(それにしても1の原題がウォール・ストリートなんだからややこしいことすんじゃねぇよ)』でも予告編でストーンズの『悪魔を憐れむ歌』がすさまじくかっこいい使われ方をしている。
『ウォール街』を観た方ならお分かりだと思うが、マイケル・ダグラス演じるゴードンは悪魔的なバイタリティでもって、金を稼いで稼いで稼ぎまくるキャラクターだ。無慈悲で冷酷、ホントに人の心を持っているのかと思うほどで、チャーリー・シーンも彼の圧倒的なカリスマ性に惹かれていくが、後に人の心に目覚め、彼は満身創痍でゴードンに立ち向かっていく。
『悪魔を憐れむ歌』の出だしはこんな歌詞だ。
私は財産家で贅沢者の男です
私は幾世も生きてきて
多くの人から魂と信仰を奪いました
ゴードンのキャラクターにピッタリ来るような内容だが、本編ではこれまた登場しないという噂だ。
映画において音楽というのはとても重要だ。特に『イージー・ライダー』以降、既存の楽曲を使って主人公の心情を表すというのはひとつのスタンダードにもなった。普段何気なく聞いている曲や、昔ヒットチャートを駆け抜けた楽曲も映画に使われると、その楽曲だけを聴く以上の効果があるのは知っての通りで、実際映画やドラマで使われたことで、その曲が再び売れたなんてこともよくある――――余談だが『ウォッチメン』で『見張り塔からずっと』がオジマンディアスの見張り塔に向かうときにかかった時は映画館の大音響もあって鳥肌立ったなぁ。
ぼく自身、予告編というのはなるべく観ないようにしていて、映画館でも上映時間の10分すぎまでロビーにいて、そそくさと入るときもよくある。最近の予告編はネタバレしすぎているというのと、くだらないファンタジーや、余命いくばくもないなにがしの予告編など見たくないんじゃ!というのがその理由だが、それでもタイミングによっては観てしまうときだってあるわけで、その時にかっこいい音楽の使われ方をしてるのを聞くと、「本編のどこで出て来るんだろう」と期待してしまう。
しかし、なんでこんなことが起きているのだろうか。もしかしたら予告編を見ないぼくが知らなかっただけで昔からよくあることだったのかもしれない。このままいくと予告編には出て来るけど、本編には登場しないシーンなんてのも続々と出て来そうだなぁ*4と思ったクソ寒い二月の朝であった。あういぇ。

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