カンフーダンク!

16時15分に仕事が終わりまして、そこから『カンフーダンク!』を鑑賞。

『カンフーダンク!』は『少林サッカー』『少林少女』の流れを汲む、香港映画で、カンフーの達人がバスケットをするという、完全にそのヒットを狙った物。アクションシーンは見事で久々に現代劇で本格的なカンフー観た気はするし、チン・シウトンのアクロバティックな振り付けはここまで来たかという感じで、『かちこみ!ドラゴン・タイガー・ゲート』のカンフーシーンよりも決まってた感はある。香港の人気スターと言われるジェイチョウはどこがかっこいいんだか分からないが、親の居ない純粋無垢なカンフーの達人という役が似合っていて、すっかり名バイプレイヤーとなったエリックツァンの演技も一級品。

でも映画はすっげぇおもしろくない。

まず『カンフーダンク!』には主人公に立ちはだかる壁とか障害が一切ない!

挫折であるとか、嫌な大人とか、強敵とか、ライバルとか全然無くて、普通だったら、バスケのチームに入る時にチームメイトと衝突しながらも絆を深めるだとか、自分にはカンフーの才能はあるけど、バスケの基礎がないから、そこで調子こくとか、そういう流れっつーもんがあるでしょう。今度『アメトーーク』でも『スラムダンク芸人』やるけどさ、そういう主人公と共に成長して、さらに壁を越えてとか、そういうのがあるじゃない。

『カンフーダンク!』にはそういう乗り越えなければならないシーンがなく、ストーリーを転がす上で、カタルシスがひとかけらも感じられない。

例えば、勧善懲悪ものだって、すっげぇ悪いヤツが居るから、正義の味方が輝いて見えるわけでしょう。『ショーシャンクの空に』とかさ、あれだけ極悪人な看守が居るからおもしろいわけで、これが全員善人だったら、感動なんてないですよ。死ぬかもしれない状況の中で、いつ殺されてもおかしくない状況の中で、あれだけの事をするから感動するわけでしょう。

仮に『仮面ライダー』に敵が居なかったら、どうよ?
刑事ドラマで犯人が居ないドラマってどうなん?

まさに『カンフーダンク!』はそういう感じの映画で、企画と主演が決まった時点で、シナリオに本気さを感じられない。『少林サッカー』にあるような『七人の侍』的なプロットや古き良き香港映画(ブルース・リー)への原点回帰、そう言った熱い想いがこちらにまったくと言っていいほど伝わって来ない。

バスケのシーンは素晴しいし、冒頭のアクションシーンも最高。CGのクオリティは高く、後半の○○越えシーンはハリウッドでも見られないような映像マジックがある。

でも映画はおもしろくもなんともない

つって監督調べたら、、、『ドラゴン特攻隊』の監督だった!それでこんなに整合性がない映画になったのか!ある意味で必見だ!