グーグーだってぬこである

10時15分より『グーグーだって猫である』鑑賞。犬童一心監督の最新作という事で、予告編を観るかぎり、非常に犬童一心テイスト溢れる作品になるんじゃないかなぁと思ってたが、まさにそんな感じだ。

作品を一言で表すならば犬童版『まあだだよという感じ、猫を亡くしてしまった悲しみから仕事が出来なくなってしまった漫画家と、その漫画家を一生懸命に支えるアシスタント、そして、その取り巻きについての話である。猫が殺人的にかわいいのは言うまでもなく、それでも猫メインの映画になってないのは好感が持てる。上野樹理はもちろん上手いのだが、森三中平川地一丁目の直次郎、梅図かずおなど、役者以外も熱演。小泉今日子のセリフが極端に少なく、加瀬亮も独特の雰囲気を相変わらず持っている。

ところどころ、カメラワークに相米慎二っぽさを感じ、途中に『地下鉄のザジ』そのまんまの追っかけっこを入れるなど、単調になりがちな作風にスパイスを効かせ、ちょい逸脱してる感じもあるが、これぞ日本の映画だという雰囲気でラストまでごゆるりと行く。

正直、後半は丸々削ってもいいシーンがあったり、『メゾン・ド・ヒミコ』のような無理目なダンスシーンがあったりもしたが、優しげな細野晴臣による音楽もあいまって、優しい気持ちになる映画。ロケもセットもいい感じ出してます!